乃木坂46秋元真夏卒業コンサートレポート①「乃木坂はちゃんと世代交代できている」

2023.2.28 20:30

乃木坂46の2代目キャプテン、秋元真夏(29)の卒業コンサートが2月26日、横浜アリーナにて開催された。最後の1期生として11年間乃木坂46を支え続けた秋元真夏のラストコンサートにふさわしく、3時間超えで異例の“トリプルアンコール”を含めた全28曲を全力で披露。感動と笑顔に包まれたコンサートのレポートをentax取材班がお届けする。この記事では、アンコールまでのコンサート本編の内容を追った。セットリストの1曲1曲に、卒業生から後輩まで思いやる秋元の思いが詰まっていた。

コンサートレポート後編はこちら

12,000人を動員した横浜アリーナ Ⓒ乃木坂46LLC

12,000人を動員した横浜アリーナ。満員の客席が、秋元真夏カラーである赤やピンクのサイリウムで埋め尽くされる中、アニメ『SPY×FAMILY』のアーニャの声で「秋元真夏の卒業コンサートはじまるます」とアナウンスがあり、モニターには秋元の今までの活動を振り返るVTRが流れた。

画面が暗くなると今度は赤とピンクのバタフライが映し出され、バックステージ側からピンクの衣装を着た乃木坂46メンバーが登場。アリーナを囲む通路をステージへと向かう中、舞台の扉が開き光とともに秋元真夏が現れ「乃木坂46秋元真夏、卒業コンサートスタートです!」と満面の笑みでコンサートの始まりを告げ、『ぐるぐるカーテン』でコンサートの幕が開けた。

2曲目の『おいでシャンプー』では秋元の必殺技「あなたのハートにずっきゅん♡」をメンバー全員で披露。3曲目は『走れ!Bicycle』と、ここまで乃木坂46の1st〜3rdシングルを続け、モニターには当時の1期メンバーが歌う姿が映し出された。この日のセットリストは秋元真夏自身がセレクトしたもの。ただこの3曲は、乃木坂46に加入したものの、半年ほど学業に専念しなければならなかった秋元が参加できなかった楽曲だった。それだけに秋元は「なんで歌ったんだろうって不思議に思ってる方もいるかもしれないんですけど」と前置きしつつ、「当時の1期生がこの3曲を背負って、毎日不安と闘いながら、グループのために走ってくれたり、乃木坂46って名前を広めるためにいろんな場所で闘ってきてくれたおかげで今の乃木坂46があるからこの3曲を歌いたかった」と思いを吐露。モニターに映る卒業生と現役メンバーをつなぐ曲として選曲したことを明かした。

秋元真夏 Ⓒ乃木坂46LLC

そして4曲目は、秋元のデビュー曲となった『制服のマネキン』。花火が上がる中、全員がセーラー服姿で登場し、スタイリッシュなライティングとダンスで客席を魅了した。続く『ガールズルール』では「横アリ、騒げー!!」と声出しOKとなった客席を盛り上げ、「みなさん、テンション上げていきましょう! 卒業コンサートだけど、寂しさ忘れて楽しんでいきましょう!」と元気いっぱいの姿を見せた。

6曲目の『太陽ノック』を終えると、「改めましてこんばんは! せーの、乃木坂46です!」とメンバー全員で挨拶。2月22日に3代目キャプテンに任命されたばかりの梅澤美波が「あっという間にこの日が来てしまいました。全力で楽しんで盛り上げていきましょう!」とファンに呼びかけた。

(左から)秋元真夏、梅澤美波 Ⓒ乃木坂46LLC

ここからは「後輩との思い出を重視して選んだ」という5期生楽曲『バンドエイド剥がすような別れ方』、4期生楽曲『ジャンピングジョーカーフラッシュ』、3期曲楽曲『僕の衝動』を続けて披露。どの期のメンバーもこの一瞬を見逃すまいと秋元を見つめ、ハグをしたり投げキッスを送ったり頭をなでてもらったり……秋元のことを尊敬し、好きだという気持ちがひしひしと伝わる場面の連続だった。

(左から)阪口珠美、秋元真夏、田村真佑 Ⓒ乃木坂46LLC

ユニット曲パートに移ると、1曲ずつ着替えを挟んで多彩な衣装を楽しむ秋元。まずは「アイドルとしてより素の秋元真夏に近かった」という、当時“女子高生カルテット”と呼ばれたメンバーで歌った『口約束』、続いて「乃木坂46で1番王道アイドルらしい、衣装もダンスも全部かわいい曲」という『ごめんね、スムージー』でアイドル全開の姿をファンの目に焼き付けた。ここで「笑顔のイメージが強いと言われるけど、本当はかっこいい表情に憧れる」と、かっこいい楽曲を歌うような前フリ。しかし実際は『魚たちのLOVE SONG』が流れるとともに、魚の着ぐるみ姿のメンバーが登場! 秋元はマグロ、山下美月はタコ、筒井あやめはクマノミに扮しており、途中からはカマキリ姿の黒見明香も参加して笑いを誘った。

(左から)筒井あやめ、秋元真夏、黒見明香、山下美月 Ⓒ乃木坂46LLC

コンサートも後半に入り、アンダーメンバーとの絆を感じる『涙がまだ悲しみだった頃』『Against』を披露した後は、2年連続レコード大賞を受賞して「乃木坂の転機になった、外せない2曲」として、『インフルエンサー』『シンクロニシティ』をパフォーマンス。「自分で選んだのに大プレッシャー! 1曲目はまいやん(白石麻衣)、もう1曲はなぁちゃん(西野七瀬)のポジションだから」と言いながら、赤とピンクの衣装で見事にセンターをこなし、ファンのかけ声が会場内に響き渡る。『好きというのはロックだぜ!』では、3代目キャプテンに任命されている梅澤美波が「真夏さんへの思いを、みんなこのタオルにこめて回してください!」と声をかけ、いっせいにタオルを振り回す客席の盛り上がりがピークに。続く『帰り道は遠回りしたくなる』で会場に一体感が生まれた。

そしてメンバーとハグを交わしながら『最後のTight Hug』を歌い終えると、『言霊砲』に移った。一緒に歌う3期生の山下美月、久保史緒里、与田祐希を「今のグループを先頭で引っ張ってくれる子達」と評した。モニターには秋元から3人へ宛てた手紙が映し出され、涙をこらえながら秋元への感謝を述べるのが精いっぱいのメンバー達だったが、逆に3人から秋元への手紙の文字が浮かび上がると、ここでついにこらえきれず、秋元の目から涙が。3人は「真夏さん輝いてます これからも大好き 感謝してます」と替え歌にして歌詞に思いをこめた。

新キャプテンの梅澤美波と2人で『忘却と美学』を歌った際には、「人のいいところを見つけられるいいキャプテンになってください」とエールを送ると、梅澤が「真夏さんがメンバーにしてきたことをみんなにしてあげられるようにがんばりたい」と言葉を絞り出した。

(左から)鈴木絢音、秋元真夏 Ⓒ乃木坂46LLC

ここで秋元は「どうしてもあるメンバーと2人で歌いたいと思って選びました」と言い、あと1カ月で卒業する2期生の鈴木絢音と『大嫌いなはずだった。』を。まるで歩きながら会話しているかのように、アリーナの通路をゆっくり歩く中、突然鈴木が立ち止まると秋元に大きな花束を渡し、2人で抱き合って涙を流していた。

(左から)山下美月、秋元真夏、梅澤美波、与田祐希 Ⓒ乃木坂46LLC

最後の曲の前には、秋元が改めてメンバーへ向けてメッセージを。「乃木坂のようなアイドルグループにいる人にとって大切なのは、アプローチや方法は違っても、最終的に見据えているゴールを一緒にすること。世代交代が難しいって言われている大人数のアイドルだけど、乃木坂はちゃんと世代交代できているんじゃないかな?」との声に、会場からは温かい拍手が。「良かった」とほっとした様子で微笑んだ秋元は、「最後は乃木坂46の中で1番好きな曲」として『ひと夏の長さより・・・』を披露。赤とピンクのサイリウムがひときわ揺れる中、「最後にこんな景色を見させていただいて、ありがとうございました」と秋元が述べるとメンバーは一列に並んで深々とおじぎ。紙吹雪が舞う中、最後は涙をこらえ、笑顔で舞台を去った。

後編へと続く)

【秋元真夏Profile】
1993年8月20日生まれ(29歳)埼玉県出身。
乃木坂46 の1期生オーディション合格後、学業で休業。4thシングル『制服のマネキン』から本格的に始動し初選抜入り。31stシングル『ここにはないもの』まで28作連続選抜メンバー入り。『真夏の全国ツアー2019』で、初代キャプテン:桜井玲香からバトンを引き継ぎ、2代目キャプテンとして就任。2月26日をもって乃木坂46を卒業。卒業後はタレントとして芸能活動を続ける。

写真提供:Ⓒ乃木坂46LLC

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