毒舌でブレイクの永野 90分で150回の“気持ち悪い”発言で「番組史上、最も期待を超えるゲスト」と成田悠輔に言わせた
2024.8.9 19:00経済学者・成田悠輔がMCを務めるトーク番組『夜明け前のPLAYERS』。成田が「中年の悩みを共有できた」と感想を漏らしたのは、お笑い芸人・永野との対談だ。90分にわたるトークで永野は毒舌を連打。番組が終えたところで長いため息をついた成田に「あーじゃないよ。ほんとうは楽しかったんだろう」と最後まで毒舌の手を緩めず永野は、「番組史上、最も期待を超えるゲストでした」と成田に言わしめた。
「芸能人って露出狂だと思うんですよ」 言動の矛盾が気持ち悪い
トークの最中、成田は「意味不明なことがいろいろ書いてある」と永野の著書『オルタナティブ』を持ち出した。
“意味不明なこと”と言ってはいるものの、収録後のインタビューで成田は「いつも予習しようと思いつつ予習せずに終わることが多いんですが、今回なんと最後までちゃんと読むという奇跡が起きたんです」と語った『オルタナティブ』だ。
成田がひっかかったのは<皆さんは良くできた恋人と壮絶な風俗はどっちが好きですか?>といきなり問いかける一節だ。問いかけておきながら何のオチもなく終わるのが、意味不明だと言う成田に永野は、社会が快感や快楽を下に見がちなことに対して疑問を呈したのだと説明する。
永野は最近の、芸能人の極端なホワイト化を例に話し出した。「歌手とか俳優とかお笑いとか、そんな職業の人が“一途”アピールするのが気持ち悪いんですよ。風俗とかにすごく行っているって言うほうが安心する」と永野。成田も「何百万人に顔をさらすような仕事をしておいて、品行方正で一途で家族が大事ですって謎ですよね」と共感した。
「名前を売りたくて東京に出て来て、いろいろなことを経験して、テレビに出て興奮しているんですよ」と永野が思う芸能人像を話すと成田も、「露出狂の人じゃなきゃ、テレビやYouTubeには出ないですからね」と納得。永野は「そうそう。俺、芸能人って露出狂だと思うんですよ」と呼応し「そんな露出狂が“一途”って、気持ち悪くないですか?」と繰り返した。
永野は、インスタグラムに家族を大切にしている姿や品行方正な姿を上げるような芸能人に違和感があるのだ。逆に品行方正に地味に生活している姿が本当ならば、一方で注目されるためにテレビに出ている彼らは、露出狂クラブに毎晩通ってそこからマイホームに戻るような本当の露出狂と同じだとまで2人の毒舌合戦は続いた。
若者の気持ちが分かる?「心が若いおっさんって気持ちが悪い」
成田は“永野の行き着く先はどこ?”と質問。「到達すべき目標はない」という永野に「アップデート止めたいですか?」と聞いた。永野はアップデートはつまらないと言い、自然体で「この人“おっさんなんだな”と思われるほうがいいですね」と答えた。特に、若い人とつながって何かをやるという色気はない。むしろ若い人と理解しあって行動している人に気持ち悪さを感じるのだとか。
永野は今、年配者が若者にこびすぎていると感じるようだ。例として挙げたのは、自身の高校時代の教師。不良っぽい学生から「あいつの話は聞いちゃうよな」と慕われていた教師が永野は苦手だったと言う。「“おいお前、見つかんないところでタバコ吸えよ”とか言う人が嫌っていうか。ちゃんと怒ってよと思った」と永野。若者の気持ちが分かる、自分も同じだという顔をしている大人が嫌だったと話す。
理由は、若者の気持ちが分かるはずもないし、分かっているとしたら「おっさんなのに心が若いんだ。気持ち悪い」。永野は高校生の頃からそう思っていたと告白。きちんと老けて老害になることが重要だと語り、「俺、ちゃんと老けてますもん。年相応に気持ちが枯れています」と自慢した。
さらに成田が「無害な理解のある老人というのもヤバイなと思う」と発言。「それ、僕の言っていること同じ。(老人なのに)無害って気持ち悪くないですか?」と永野。ちゃんと老けるということと“老害”という意味をつなげて持論を展開した。成田も「ちゃんと(若者と)接続を切って、ちゃんと嫌われて、ちゃんと淘汰(とうた)されないといけない」と話し、「ちゃんと消えていきたい」と永野も同調した。
一方で永野は「成田さん、その気がありますよ」と矛先を成田に移す。「なんか洗脳感出すじゃないですか」と“心が若いおっさん”の傾向が成田にもあると言うのだ。「あなただって知らないことがいっぱいあるんだから、そういう(知らないことがある)感じも出しておかないと、自分で自分の首絞めることになる」と指摘。さらに「あなただって無性に腹が立つ相手もいるんだろうから、そういう人には嫌いだって言ったほうがいいですよ」と年配者からのアドバイスを繰り出した。
そんな毒舌絶好調の永野に成田は笑いが止まらない。「90分間のトークで150回くらい“気持ち悪い”と言っている」と指摘した。
永野と成田は新種の”猿”。共通の弱点は「“猿”が好き」
「成田さんこそ、どこへ行くんですか?」。永野は自分に向けられた問いを成田に付き返した。「テレビにはずっと出たいんですか?」と聞かれた成田は、自分はそろそろテレビから淘汰されるだろうと予測するのだが、永野は納得しない。「それウソでしょ。呼ばれなくなったら絶対にソワソワしますよ。テレビの味、知っちゃったんだから」と言い、成田も“露出狂”の1人なんだと指摘した。
成田が「試してみますか」と言うと、「今は余裕があるから言えているだけ」と遮る永野。「マジでこういう仕事が終わっていったら、俺の感覚って古くなったんだな、テレビには必要とされていないんだなって焦りますよ」と言う。「この番組に絶対しがみついて、(スタッフにも)頭を下げたほうがいいよと。節目節目にちゃんと(スタッフと)飲み会とかやったほうがいいって」と熱弁する永野に成田は、「完全に“猿”の知恵になっている」と笑った。
というのもそれまで2人は、最近のテレビは言い訳ばかりだ、出演者は何も考えていない“生きてるのが楽しい!”というタイプばかりだ、よってテレビは“猿の集まり”だとのたまっていた。話す過程で自分たちも”猿”の一員だと気づきはしたものの、テレビ業界とテレビに出演する“猿”をさんざん酷評していたのだ。
成田が「永野さんと僕の共通の弱みは、意外に“猿”が好きってことですね。切れないっていう」と言うと永野は吹き出した。「そうなんですよ。意外にいるんですよ、“猿”の惑星に。そういう意味では、自分たちは一番めんどうくさい猿かもしれないですよね」と話すと、「意外に“猿”の演芸会も好きだったりして」と成田。結局は「(“猿の集まり”に)そこそこ適合しちゃってますよね」と自嘲した。
本対談は『夜明け前のPLAYERS』公式HPでノーカット版が、公式YouTubeでディレクターズカット版が配信されている。
「夜明け前のPLAYERS」
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