アニメ『小市民シリーズ』原作小説特有の“行間”再現度にファンも歓喜「10年以上待ったかいがあった」
2024.7.11 20:40『氷菓』をはじめとする〈古典部〉シリーズの作者にして直木賞作家・米澤穂信が生み出した、TVアニメ『小市民シリーズ』の第1話『羊の着ぐるみ』が7月6日(土)に放送された。本作は、シリーズ累計110万部を突破する大人気「青春」×「学園ミステリ」作品で、過去に推理活動により苦い経験をした小鳩くんと似た境遇を持つ同級生、小佐内さん。互いに平穏な高校生活を求めるのだが、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込み二人は事件の謎に挑む事となる。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆小市民を目指す二人
自分の受験番号を見つけ船戸高校に合格したことを確認する小鳩常悟朗(CV:梅田修一朗)は、「今どこにいるの?」と連絡を受け、同じく船戸高校に合格した中学校の同級生、小佐内ゆき(CV:羊宮妃那)の元へ向かう。2人は合格のお祝いに甘いものを食べに行く約束をする。そんな中、小鳩と小学生の頃同級生だった堂島健吾(CV:古川慎)に話しかけられ、3人はあいさつを交わした。
約束通り喫茶店に入り、小佐内は先ほど出会った堂島のことを「あの人、小鳩君になにか押しつけてきそう…」と気にしていた。小鳩は「そうだね、わりとお節介なやつだよ。いわゆる”小市民”(しょうしみん)からは程遠い」と答え、「小市民たるもの決して出しゃばらず、日々を平穏に過ごしそれを妨げることからは断固として回避の立場をとるべし」と2人が目指す“小市民のあり方”を口にした。「だけど心配は要らない、いいやつなんだ健吾は」と笑顔を見せたが、まだ小佐内は不安そうだった。
◆早くも事件に巻き込まれる小鳩
後日、小佐内は販売が本日までだという期間限定の人気のいちごタルトを“一緒に買いに来て欲しい”と小鳩を誘った。小鳩は堂島から、消えてしまった吉口(CV:島袋美由利)という女子生徒のポシェットの捜索に協力して欲しいと駆り出され、小佐内は終わるまでベンチで待つことに。
堂島が中心となり、数人で捜索することに。堂島が高田(CV:三浦勝之)という男子生徒に“今どこを探しているのか”場所を聞くが、どこにいるかはっきり分からないまま通話を切られてしまった。何度か電話をかけた後、やっと外で大きく手を振る高田を確認。その、手を大きく振る様子や高田の濡れたズボンの裾に、どこか怪しむ小鳩だった。
その後、ポシェットのゆくえは解決しないまま小佐内の元に戻った小鳩だったが、ケーキを買いに行く前に消えた“ポシェット事件”を小佐内に話し、外の部室棟の横にある倉庫へ向かい、倉庫下からポシェットを取り出した。
結果、ポシェットを盗んだのは高田だったのだ。ポシェットの中には高田が書いたラブレターが入っていた。高田は、持ち主である吉口に直接告白することができず、内緒でラブレターをポシェットに入れた。しかし、入れたことを後悔し、ラブレターを取り返そうとポシェットを盗んだのだった。全て見抜かれてしまった高田は、小鳩と小佐内に向かい「でも、お前らにはわかるだろう?付き合っているんなら。俺がどんな気持ちでこいつを仕込んだか…」と苦い表情を浮かべた。しかし、“友達”の小鳩と小佐内は驚いた表情を浮かべ…2人で顔を見合わせた。
◆SNSも騒然。大切ないちごタルトが…
事件を解決した小鳩と小佐内。2人は「そうやって私たちは穏やかな時間を作り出して」「“完全なる小市民への飛躍”を始めるのだ」と、 “たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう”という“2人の約束”について改めて話すのだった。
そして、2人はようやく“期間限定のいちごタルト”を買いに行くことができた。その後、コンビニに寄った2人が外に出ると…男子生徒が小佐内の自転車を盗んで逃走。そのかごに入れていた期間限定のいちごタルトは地面に投げ出され、箱から飛び出し無残な姿に…。衝撃のあまり小佐内は、目も口も大きく開き、唖然(あぜん)とした表情でしばらく立ち尽くすのだった……
SNSでは最後の“いちごタルト”のシーンに「貴重なタルトが…」「あっ…」「ここで1話終わり!?」と騒然。いよいよ始まった本作については、「すごい静かなアニメだ…」「ずっと映画みたいな綺麗さだった…」などと世界観と映像作りの美しさに引き込まれる視聴者が多く、原作ファンからも「10年以上待った甲斐があった」「行間が映像で補完される絶妙な塩梅」「しっかり行間をとっていると感じる間が再現されている!」「読んでいた時の描写がそのままアニメになったかのよう」と、喜びをかみしめる投稿が多くあげられていた。
TVアニメ『小市民シリーズ』
毎週 深夜1時30分からテレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠ほかにて放送予定