アニメ『ヒロアカ』なぜ燈矢は“荼毘”として生きることになったのか…?兄と弟の二つの赫灼が激突!「ちょっとしたかけ違いで人生は大きく変わる…」

2024.6.26 16:45

『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で連載中、堀越耕平氏によるマンガ『僕のヒーローアカデミア』通称“ヒロアカ”。2014年7月の連載開始から今年2024年で記念すべき連載10周年を迎えた本作は、4月4日に発売された最新40巻まででコミックスシリーズ世界累計発行部数1億部を突破。そしてついに、TVアニメシリーズの第7期の放送がスタート。第8話(通算146話)『二つの赫灼』が6月22日夕方5時30分より、読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット(※一部地域を除く)で放送された。

◆11年前の出来事

荼毘(CV:下野紘)は自分に立ちはだかる実の弟、轟焦凍(CV:梶裕貴)を見て、11年前の出来事を思い出す。まだ荼毘になる前の轟燈矢だった時、父であるエンデヴァー(CV:稲田徹)に自分の力を見せるために瀬古杜岳(せことたけ)に来てほしいと伝えた日のことを。どんなに待っても父は伝えた場所に来ることはなく、1人涙を流していた。そんな時に己の発した火が止まらず、周りの木々も自分自身も炎に包まれてしまったのだった。しかしそこをオール・フォー・ワン(CV:大塚明夫)(※以下AFO)に助けられ、AFOの息のかかった施設で3年もの間、眠り続け生きていたのだった。

3年間も眠り続けた燈矢

その施設では他にも子どもたちが生活しており、燈矢は眠っている間“お眠りくん”と呼ばれていた。火傷(やけど)で顔も声も変わってしまっていた燈矢だが、家族の元に帰ろうとする。そしてまたエンデヴァーに自分の力を見てもらいたいと思っていた。施設の職員と話している燈矢に、AFOがモニター越しに話しかけてくる。「以前のような力は出せない。各器官の損傷、痛覚など体性感覚の鈍化…。君の体は弱り、もう元には戻らない。我々も万全な君を迎え入れたかった。手を尽くしたが残念ながら…失敗だ」AFOの言葉に、燈矢はこれまでずっと父の期待に応えられなかった自分の姿がフラッシュバックする。泣き出す燈矢にAFOはさらに「でも、僕なら君の炎を元通りにできるかもしれない。どうだい?僕たちと家族になって教育を受けてみないか?」と続ける。その言葉に燈矢は「俺は他の人間から教えを乞う気はない。俺に教えられるのはお父さんだけだ!」。そう言って、施設を炎で焼き払い、そのまま出て行ったのだった。

炎で施設を焼き払って脱走した燈矢

燈矢は死柄木弔(CV:内山昂輝)に何かがあった時のスペアとして考えられていたが、“失敗作”と思われていたため、AFOたちは逃げ出したのを放っておいた。目覚めて動き始めてから、何もしなければひと月ももたないということを知っていたからだった。しかしそれから数年後、再びAFOたちの前に今度は“荼毘”として姿を現したのだった。ドクターがこれまでどう生きて来たのか尋ねると「戻ったのは、葬式にちょうどいい場所だったからだよ」と一瞥(いちべつ)する。それを見たドクターは、荼毘が崩れゆく体をただ怨嗟(えんさ)の炎だけで踏みとどまらせてきたのだということが分かったのだった。

荼毘に立ち向かう焦凍とエンデヴァーのサイキックたち

荼毘は焦凍に施設を抜け出したあと家に戻ったことを告げる。「焦凍、帰ったんだよ俺。前より弱体化してんのにさ、期待してるもんなんてあるはずないのに。また見てもらえるように。きっと変わっていてほしかったんだ、見たかったんだ。俺を生んだ意味を…」しかし家の中で見た光景は、自分の仏壇と焦凍を変わらず鍛える父の姿だった。「でもさ、3年ぶりの変わらぬ光景が改めて教えてくれた。俺が失敗作で意味はなく、この家族はもう俺を過去にした」

弟である焦凍に、自分が目覚めたあとの話をする荼毘

荼毘は自分の仏壇に手を合わせ、その日燈矢から荼毘として生まれ変わった。そしてそれ以来、エンデヴァーのニュース映像などを見て技を研究し、身がただれて剥がれ落ちても技を鍛え続けた。エンデヴァーが街を守る度、名声をあげる度に心が脈打ち続けていたのだった。それを聞いた焦凍は、荼毘は最初から自分の命を失うつもりでいることを悟るのだった。「アレの大切なものすべて焼き尽くす!それが俺の生まれた証だ!」そう叫ぶ荼毘に「させねぇっってんだろが馬鹿兄貴!」そう言い迎え撃つ焦凍だった。

弟として荼毘の前に立つ焦凍

◆みんなで止める

荼毘の炎は、傍らに立つオールマイト(CV:三宅健太)の銅像を溶かしていくほどだった。「父親不在でお前が相手ってのも冷静になりゃあいい薪だ!」と、言う荼毘に焦凍は「お前は俺が止める」と向き合う。しかし荼毘は「勘違いすんな。俺はお前にもしっかり思うことがあるんだ」そう言って、エンデヴァーの技でもある“赫灼熱拳ヘルスパイダー”を放つ。「最高の環境と最適な体がありやがるくせに他にすがった!すべてを持って生まれたくせにそうあろうとしなかった!誰も言ってくれねぇなら俺が言ってやろうか!?フラフラ中途半端な人形が!てめぇは何者にもなれねぇよ!」焦凍を“ジェットバーン”で殴りとばす荼毘。ビルに打ち付けられた焦凍は荼毘に「そうだ…言う通りだよ。遠回りして迷ってばかりの半端者。それが俺だ…」しかし焦凍が話しているうちに、荼毘は自らの炎が中和されていることに気づく。「親父のことしか見えてねぇと思ってたよ。しっかり俺のことも見てくれててよかった」焦凍が荼毘に見せたのは、周囲に追いつくために習得しようとする過程で見つけた“赫灼”。「この技は自分で発展させた。お前を止めるための技」そう荼毘に言う焦凍だった。

最初から自分の命を捨てるつもりで戦っている荼毘

決戦前、エンデヴァーと電話で話した焦凍。配置の再考をしたいエンデヴァーだが、今戦っているヒーローの中でAFOを相手にできるのはエンデヴァーしかおらず、デク(CV:山下大輝)が死柄木を止めるように、荼毘には自分の力が適任だしそうしたいと伝える焦凍。「俺の使命だ…」というエンデヴァーに焦凍は「“みんな”でだ。それぞれやるべきことをやって、みんなで燈矢兄も敵(ヴィラン)も止めるんだ」と伝えていたのだった。

エンデヴァーと話す焦凍

荼毘に「半端な弟…から言ってやる!親父はイカレてた!うちはダメだった!それでも…人を焼いたのはあhお前の選択だ!」と、焦凍はそう言いながら「親父は体の熱を下げるために冷を望んだ。俺は逆を行く。あの家に俺が生まれた意味を俺自身が肯定できるように。緑谷、俺の力だ。ありがとな」と、雄英の寮でデクに伝えたことを思い出す。そして「これ以上関係ねぇ人たちの命を奪うな!全部俺たちにぶつけろ!!そうすりゃ少しは頭冷えるだろう!!」と荼毘に攻撃をする焦凍。

焦凍の荼毘の灼熱を耐えうる体と炎を覚ます力に「歪んだレールが正道に交わることはない。超人社会の限界!俺たちがそうなんだよ!これ以上は平行線だ!焼けて消えろよ!俺たちのために!」と、反撃してくる荼毘の炎をエンデヴァーのサイキックたちが受け止める。礼を言う焦凍だが、雄英に入る前はこんな一言も言えなかった。雄英に入りA組の仲間と出会い、いつもそこにいて誰も置いていかずに安心をさせてくれていた仲間と過ごしたことで、変わることができたのだった。

「交わるよ、無理にでも。だから止まってくれ」焦凍が荼毘に必殺技“大氷海嘯”を放つと、炎で燃え盛っていた街は氷に包まれ、荼毘は焦凍の体に崩れ落ちるのだった。

◆なぜ燈矢は“荼毘”として生きることになったのか…?兄と弟の二つの赫灼が激突!

「ちょっとしたかけ違いで人生は大きく変わる…」兄である荼毘との戦いが始まり、激突した2人の兄弟に視聴者からは「2人の青年に背負わせるには重すぎる業で、見ていて辛くなりました」「失敗が始まりだとしても救おうとやり直そうとした轟家が報われますように…」「焦凍もデクたちとの出会いがなければ兄のようになってたかもしれないよね。ちょっとしたかけ違いで人生は大きく変わる…」など、荼毘の父への愛憎とそれを止める弟、焦凍の気持ちに注目が集まった。また「すごい、すごすぎた!こんなにもクオリティ高く2人の戦いを見られるなんて!」「2人の赫灼熱拳のぶつかり合いはド迫力でしたし、轟の技の描写の美しさも見どころでした」などと、迫力ある作画を称賛する声も多くあがっていた。

アニメ『僕のヒーローアカデミア 7期』第147話『EXTRAS』は、6月29日(土)夕方 5時30分より読売テレビ・日本テレビ系全国 29 局ネットにて放送。

アニメ『僕のヒーローアカデミア 7期』
放送:毎週土曜夕方 5:30 読売テレビ・日本テレビ系全国 29 局ネット ※一部地域を除く
配信:各動画配信サービス 毎週土曜よる 6:00 最新話順次配信

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画像提供:©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

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