ドラマ『イップス』最終回 “十字架事件”の真犯人はずっと身近に…意外な正体にSNS「これ予想できた人おるん笑」
2024.6.25 12:15毎週金曜よる9時よりフジテレビ系にて放送されてきたドラマ『イップス』が6月21日、ついに最終回を迎えた(全11回)。本作は、“書けなくなったミステリー作家”黒羽ミコ(篠原涼子)と“解けなくなったエリート刑事”森野 徹(バカリズム)がバディを組み、事件解決に挑んでゆくミステリーコメディー。2人がイップスになってしまった原因である“歪(いびつ)な十字架模倣事件”に決着がつき、真犯人も判明。ミコの弟である慧(染谷将太)こそがその正体であると噂(うわさ)されてきた中、森野の口からは意外な人物の名前が上がることに…。SNSでは「これ予想できた人おるん笑」「あんな可愛(かわい)い顔してえげつないことしてた」「(真犯人が)〇〇なのを知った状態でまた1話から見直したい」など驚きの声が多出。さらに物語自体も“新展開”を思わせる形で締めくくられており、続編を期待する声も上がっている。
(ドラマ最新話までのネタバレを含みます)
◆”慧 真犯人説”の答えは…!?
最終 第11話「歪(いびつ)な怪物の正体」は、事務員の女性・久保碧(祷キララ)が自宅アパートの玄関口で死亡し、その遺体を慧が暗い表情で見つめている…という意味深なシーンから始まる。女性の胸には直径数センチほどの“十字架”が刺さっており、8年前に起きた“歪(いびつ)な十字架模倣事件”とのつながりが見てとれた。慧は現場から自身の指紋を拭き取ると、まるで逃げるようにその場を離脱。行方をくらませてしまう…。
慧はこれまでも、8年前の事件に関する情報にやたらと執着しているような様子が描かれてきた。森野が当時の担当刑事だったことを知っていたり、犯人として捕まった異口治(モロ師岡)が冤罪(えんざい)であると訴えるSNSアカウントをじっと見つめていたり…。別作品で数々の印象的な役を務めてきた染谷将太が演じていることもあって、視聴者の間では“ミコの弟である慧が真犯人なのか…?”という悲しい説が浮上していた。
そんな中、森野は後輩刑事の樋口一之(矢本悠馬)から1枚の画像を見せられる。それは別の事件で逮捕されたジャーナリスト・新正誠(野村周平)が撮った写真で、慧と碧が接触する様子が写されたものだった。胸騒ぎを感じた森野は樋口と共に碧の自宅へ急行。十字架の刺さった遺体と、犯人が置いたと思われる声明文を見つける。そこには「8年前 湯上幸を殺したのは私だ。もう諦めたのか?」と…。
ミコの小説『歪(いびつ)な十字架』に登場する被害者と同姓同名の人間が殺害される、この事件。犯行の手口から8年前と同一犯で間違いなさそうだが、森野はどこか違和感を覚える。1人目の被害者である湯上が殺された時にはこんな声明文はなかった、と。そんな森野の横で、樋口は「犯人は8年前の犯行時に自分ではなく異口治が犯人として逮捕されたことで悔しくなり、アピールしたくなったのではないか」と推察するが、物語の中盤、事態は大きく動くことに…。
森野はミコに連絡を取り、彼女の家で現状を説明する。碧が殺されたこと、彼女の胸にも十字架が刺さっていたこと、そして黒羽慧を容疑者として追っていること…。当然 弟をかばうミコだったが、自身が参考人として連れていかれそうになったその時、なんとキッチン横の収納スペースに隠れていた慧が「やめろ!」と叫び、姿を現した。
慧は事の顛末(てんまつ)を説明。碧と接触したのは事務所に届いた謎の封筒の指示によるもので、事件当日も彼女から“会えないか”というメッセージをもらったために現場を訪れただけだという。何者かにハメれたと訴える慧だったが、樋口は確証がないことを理由にさっさと本庁へ連行することを提案。一方のミコはこの日、事件現場から遠く離れた両親のお墓になじみの大福が備えられたばかりであったことから慧のアリバイを証明しようとするが、樋口は変わらず、“裏”が取れない以上は容疑者であることに違いはないと言って強引に事を進ませようとする。
その様子をじっと見つめていた森野のもとに、1本の電話が入る。相手の言葉を聞くと、森野はひとり落ち着いた様子でミコに話しかけた。「もう解決しました」「犯人が分かりました」。場がどよめく中、一際大きく驚いたのは樋口。森野の後輩で、刑事としてバディを組んでいた仲だ。「犯人が分かったって…誰なんですか!?」。叫ぶ樋口に、森野は冷静に告げる。「──お前だよ。樋口…、俺も信じたくない」
◆真犯人の正体にSNSも驚愕(きょうがく)!ラストには続編の“におわせ”も?
「久保碧の殺人に関して、ずっと違和感を感じていたんです。慧さんが犯人だという証拠が残りすぎというか。8年前、湯上幸を殺した時にはほとんど証拠なんて残さなかった犯人が今度はこんなに…。だから、慧さんを犯人に仕立て上げようという意図を感じたんです」
ゆっくりと、しかし力強く推理を語り始めた森野──。樋口を疑い始めたのは、碧の事件現場で彼が口にした“犯人の動機”だった。『8年前の犯行時に別人が逮捕されたことで“悔しく”なり、アピールしたくなったのではないか』という彼の言葉…。通常、自身の罪が暴かれずに事件が解決した場合、ラッキーだと思うのがセオリーのはず。だが、樋口は「悔しくなったのでは」と発言。真犯人が逃げおおせたと思われる8年前の事件が、まるで犯人にとって失敗だったかのように考えていなければ出てこない発想だと、森野の話を聞いてミコも思った。
「これを見て下さい」。そう言って、酒井がスマホ画面に映した樋口の自宅写真。そこにはこれまで森野とミコが解決してきた事件を取り上げた記事の切り抜きや、赤い十字マークで塗りつぶされた湯上幸や久保碧、慧の写真、さらには碧を殺害した際に使用されたと見られる血のついたナイフが…。樋口には碧が死亡事したと見られる時刻のアリバイもない。慧に送られた碧からのメッセージも、樋口が犯行後に彼女のスマホから送信したのだろう。森野の推理を受け、樋口はあっさりと「俺がやりました」と犯行を認めるのだった…。
──聞くに、樋口は森野に認めてもらいたかったという。同じ部署に配属されてから頼られたことが一度もなく、やがて『この人を見返したい』『認められたい』と思うようになり、彼は森野でも暴けないような事件を成功させたらいいのではと考えた。森野が唯一認めていたのは、ミコの小説。ならば、その内容をマネすれば面白いのではと。「登場人物と同姓同名の人物を探しまくって、見つけた時はめちゃくちゃテンション上がりましたね」。淡々と独白する樋口の口元は、やけにニヤけていた。
8年前、樋口は森野に自分がやったことを認めさせるため自首を考えていたが、予想に反して異口治が捕まった。実は、殺害された湯上幸は警察トップの愛人で、捜査が長引けばそのことが表沙汰になってしまう。異口はその状況を回避するために冤罪(えんざい)となったようだ。それ以降、森野はイップスになり、樋口が憧れるような存在からはほど遠くなくなってしまったが、ミコと出会い、行動を共にするうちに以前の姿を取り戻していった。“これなら8年前にできなかったことができるのでは…”。そう思い、樋口は今回の事件を起こしたのだった。
真犯人のまさかの正体に、SNSには驚きの声と同時に「真犯人が樋口さんなのを知った状態でまた1話から見直したい~ミコさん&森野さんコンビを複雑な気持ちで見つめてたんだろうなあの人」など、全てを知った上で物語を振り返ることに楽しさを感じる人も。
4月から全11回で放送されてきたドラマ『イップス』。最終回を終えて、視聴者からは「ミコと森野のコンビを見るのが楽しかったので、また続編とかがあるといいなぁ」「続編…というかシーズン制で永遠に見たい」「1話完結編でとても見やすかった!映画になってほしいドラマの一つ!」など、続編制作や映画化へ期待を寄せる声が多出。また、物語のラストでは、ミコが新作小説(10ページだけだが)を森野に読ませるシーンが描かれているのだが、森野のもとへ“新しい管理官”から着信が入った際に「馬が合わなくて…」と電話を切ってしまう。これに、SNSでは「新しい管理官というワードが出てきたから、次もありそうなので、映画でもドラマでもありえそうで楽しみ♪」という声も。果たして、“絶不調バディ”の復活が見られる日は来るのだろうか。
【作品情報】
『イップス』毎週(金)21時~21時58分
《ストーリー》
デビューからベストセラーを連発して人気作家の仲間入りを果たしたミステリー作家・黒羽ミコ(篠原涼子)。だが現在ではワイドショーのコメンテーター業を本業並みにこなす日々。一方、視庁捜査一課刑事・森野徹(バカリズム)はあることをきっかけに検挙率が右肩下がりになり、事件が解けなくなっていた。そんな絶不調な二人が仕事から逃避するために訪れていたサウナ施設で偶然出会い、殺人事件に遭遇することであれよあれよとバディを組むことに。ミコは「小説のネタが拾える」「生の死体見るの初めて」と事件に興味津々。対する森野は捜査に身が入らない中でも、刑事としての鋭い洞察力を見せミコと共に真相に近づいていく。
≪出演≫
篠原涼子 バカリズム 渡辺大知 味方良介 足立英 勝村政信 矢本悠馬 染谷将太ほか
【公式HP】
【公式X(旧Twitter)】
【公式Instagram】
【公式TikTok】