高低差のある宅地、掘ると湧き出る地下水…問題ありまくりの土地で、すべての要望を“突破”した秘策とは

2024.6.14 10:15

お笑い芸人のこがけん、俳優の武田真治、福山絢水が、6月13日放送の『THE突破ファイル 2時間SP』の再現VTRに出演。高低差のある土地に家を新築したい依頼主の希望に応える建築士たちを演じた。

1級建築士の古賀(こがけん)が、先輩建築家の武田の事務所を訪れた。助手の福山と共に出迎えた武田は古賀にある案件を見せる。武田が持ってくる案件は狭小住宅に関するものが多かったのだが、今回は狭いわけではないようだ。

今回設計を依頼された住宅地は、48坪という広さはあるものの、敷地内で85センチもの高低差があり、普通に家を建てるのは不可能。高低差をなくす造成工事をすると予算をオーバーしてしまう。多くのメーカーに建築を断られていた依頼主に古賀は「高低差だって立派な土地の個性です!その魅力を引き出せば最高の家は建てられるはずです!」と、依頼を引き受けることにした。

依頼主からの要望は“明るいリビング” “仕事とプライベートのオンオフの切り替えができる” “バーベキューのできるスペース” “アイランドキッチン” “子ども部屋” “家族で過ごせる庭” “1階建ての平屋”と多岐にわたるものだったが、古賀は「ノープロブレム!みなさんの夢を全部詰め込んだお家を設計させてもらいます!」と胸を張った。

その後、古賀たちは建設予定地を実際に調査。大きな道路に面しており、反対側には水路があるため、プライバシーや湿気防止などを考えると、窓をどう設置するかが大きな問題となることがわかった。

古賀たちは事務所に戻り設計プランを練ることに。プライバシーに配慮しつつ道路側に向かって窓を作ることができる平屋建てとして古賀が考えたアイデアが、土地全体を使って“ロ”の字型の家にする、というもの。真ん中に中庭を作り、それに面した窓を作れば光や風を取り入れられプライバシーも確保できる。だがこのプランだと、高低差の問題から階段だけのスペースも作らなければならなくなり、コストの面からしてももったいない。

コストもかからず、床面積もムダにならない方法として次に古賀が思いついたのは、土地の高い部分と低い部分にそれぞれ1棟ずつ、別々で2棟の家を建てる、というもの。間の部分が中庭となるのでロの字よりも広い庭を確保でき、2棟の間に渡り廊下を作ることでコストカットにもつながる。北側の棟にリビングダイニングとキッチン、南側の棟に寝室と仕事部屋、とゾーニングすればオンオフの切り替えもできるし、それぞれの棟の内側を窓にすれば明るさも風通しも申し分なしだ。

こうして古賀は依頼主の要望にすべて応える形で設計プランを作り、依頼主も大喜び。しかし、いざ工事を始める直前になってさらなる問題が勃発。それは、地下水が湧き出てしまったこと。ちょうど宅地の真下の浅い部分が地下水の通り道になっており、ちょっと掘り出すとすぐに水が出てきてしまうのだ。工事しづらいのはもちろん、新たに湿気対策を施さなくてはならず、継続的なメンテナンスも必要。当然お金もかかり、予算をオーバーしてしまう。依頼主と話し合い、一度は平屋建てのプランを諦めようとしたが、古賀は「もう一度、最初のプランに近い形で実現できないか考える時間をいただけないでしょうか?」と頭を下げた。

古賀は再び武田、福山と一緒にプランを練り直す。地下水脈があっても渡り廊下の付いた2棟の家を建てることができないか考え抜き、やがて「It`s amazing!!」と画期的なプランを思いついた。

それは、2棟のうち低い方の家を“高床式住居”にすること。およそ2メートル床を上げ、その下のスペースは車を止める駐車場に。さらに、低地側の棟をより高くしたことで、道路側からの目隠しの役割も果たしつつ、中庭に向かっての風通しも抜群になった。

こうして古賀は、依頼主からのすべての要望に応えた住宅を予算内で作ることに成功。頭を下げて感謝する依頼主たちに「新しい家で、これからも家族仲良く、幸せに暮らしてください!」と答えていた。

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写真提供:(C)日テレ

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