カズレーザー “スマホから手が離せない”スマホ脳のメカニズム “みる専”アカウントは特にダメ 日本人にありがちなNG行動とは

2024.5.15 09:15

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が14日に放送された。『2024 超話題の本から読み解く新時代の生き抜き方』というテーマの今回。「全世界で大ヒット!シリーズ累計300 万部を記録 スマホ依存で日本人の脳が危険」という講義では、世界37 カ国で翻訳された『スマホ脳』(新潮社)をはじめ、大ヒットを連発している著者、アンデシュ・ハンセン氏が、スウェーデンから中継で出演した。

「皆さんがスマホを手放せない理由は脳が“かもしれない”が大好きだからです」というハンセン氏。人類が生きてきたうち、99%を占めるサバンナ時代、例えば木の実があることに期待して高い木を登り続けた結果、食料にありつけたように、“かもしれない”という希望的観測が人類を突き動かし、生き延びる確率を高めてきたと話す。しかしその成功体験によって刻まれた人間の特性こそ、スマホ脳の原因であるようで、何か情報を得られる“かもしれない”という期待によって、SNSなどに張り付いてしまうのだとか。

またSNSの運営者も、わざと依存性が高まるようにデザインをしているといい、“いいね”がつくと脳内で快楽物質ドーパミンが分泌される。すると次はより多くの“いいね”が集まるかもしれないと、脳がひとりでに刺激を求め始め、気付いたらスマホが手放せない状態に。それはまるでギャンブル中毒者がより強い刺激を求め続けるのと同じだという。

ハンセン氏によれば、アカウントを作ってただ他人の投稿を見るだけの、消極的なユーザーが多い日本人は、特にスマホとの関わり方に注意が必要だという。意外な指摘に、出演者からも「あんまり発信とかしないほうが、害がなくて良さそうな気がしちゃうんですけど」との声も上がるが、問題は他人の様子をチェックするだけでコミュニケーションをとっていないことにあるそう。SNSは他人のキラキラした写真や素敵な日常にあふれているので、自分と比較すると自己肯定感が下がってしまう。そのため消極的ユーザーは積極的に発信を行う人に比べ、精神状態が悪くなりやすいという研究結果もあり、“みる専”的な使い方には注意が必要とした。

ハンセン氏が今回、そんな日本人の脳をストレスから守る物質も紹介したのが、BDNFという、脳内で作られるタンパク質。脳細胞が傷つかないように保護したり、新たに生まれた細胞の成長を促す役目を担っており、BDNFが多いと幸せホルモンのドーパミンやエンドルフィンの分泌が促され、人はストレスを感じにくくなる。最近の研究によって、このBDNFは身体を動かすと大量に生成されることが分かってきたといい、ハンセン氏はジョギングやサイクリングを推奨した。

著者 アンデシュ・ハンセン(左)と翻訳家 久山葉子(右)

講義終了間近、ハンセン氏は著書『スマホ脳』にも書かなかった、日本人へのアドバイスを伝えた。それは「何か問題を抱えた時につらさを言葉にして誰かに伝えること」。話すことで誰かとつながっていることに脳が気付き、ストレスシステムが落ち着きを取り戻すのだという。「発信が苦手な日本人にとってつらさを口にするのは難しいと思いますが、それは弱さではなく強さであると覚えておいてください」とメッセージをおくり、講義を締めくくった。

番組を総括したカズレーザーは「面白い本を書いてる人ってみんな面白い人が多いっすね。で直接、そのお話を活字じゃなく、言葉で聞けるっていうのは貴重な体験だったなとほんと思いますね」と感想を口にした。

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写真提供:(C)日テレ

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