アニメ『ザ・ファブル』「食べ放題3000円…」と男を値踏みする洋子 あまりの“リアルさ”に、SNSではもはや「怖すぎ」と話題
2024.4.24 18:15毎週土曜よる24時55分より日本テレビ系にて順次全国放送中のTVアニメ『ザ・ファブル』。本作は、1年間の“休業生活”を命じられた最強の殺し屋・通称ファブルが佐藤明(あきら)として普通の生活を送ろうと奮闘するアクションコメディー。4月20日放送の第3話「鬼ごっこ」では、明に不信感を抱く真黒(まぐろ)組の若頭・海老原がついに自ら行動開始。“ファブルの実態”を確かめようと、明を夜の埠頭(ふとう)へと誘う…。一方の洋子は下っ端組員の高橋に誘われて安い焼肉店へ。笑顔を取り繕いながらも心の中で“ボロカス”につぶやくモノローグが「笑えるw」とSNSで話題に。なかには「洋子が男を値踏みするシーンが怖すぎる」「双方の温度差、あまりにも現実的で生々しすぎ」と、浮き彫りになった男女関係のリアルさに共感する声も上がった。
(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)
◆海老原の企み
その夜、真黒組若頭の海老原は下っ端組員・高橋からの連絡に驚いていた。「なんやとォ? “佐藤兄妹”に手ェ出した?」。高橋いわく、「結構ボコった」とのこと。金で雇った“キックの西日本チャンプ”を相手にした“兄”の明は鼻血を出し、涙を流しながら謝っていたらしい。だが、明はあの“ファブル”。海老原はどうにも腑(ふ)に落ちないまま電話を切る。
そんな海老原に、親しげに話しかける男がいた。「38口径、5発。在庫はまだあるけど、そんだけでいいの?」。男はいわゆる、“闇の武器商人”だ。海老原は小さなケースに入れられた銃弾を懐に収めると「5発あれば充分」とだけ言って、話題を変える。「最近どないしとった?不景気やろ?」。「まぁ最近はもっぱらペットやなァ。南国のカラフルな鳥を密輸入して、高(たこ)ォ売るねん──」
「日本の生態系、ツブすなよ?」。釘(くぎ)を刺す海老原に、商人はそっちこそと身を乗り出す。「何するか知らんけど──38口径のリボルバーよりええのがあるでェ?」。慣れた売り文句、しかし海老原は乗らない。胸元から愛銃を取り出すと、「俺は“レンコン”が好きなんや! 命懸けるときは好きなチャカで──ってか!」と笑う。
翌日、渦中の佐藤兄妹は街のホームセンターにいた。理由は至極単純。「ペットを飼え」という、ボスの命令だった。魚類、は虫類、哺乳類、鳥類…、多様な動物たちを眺めるうちに“妹”の洋子は漠然と思う。「ボスの意図ってこういう事なのかなぁ──? 命について考えろとか…」。明は答える。「そんなキレイ事やないやろうォ」。明はボスのことを信用していたが、自分の“仕事”がどういうものかも身に染みていた。……ふと、1羽のカラフルな鳥が明の目に止まる。悠然と翼を広げ、毛繕いをするそのインコは、どこか愛銃ナイトホークカスタムのシンボルマークに似ていた。
海老原にあてがわれた“自宅”へと戻った明は、いつものように全裸になるとさっそくインコの世話を始める。鳥カゴに餌(えさ)を置き、「ホラ来い──」と煽(あお)るように手招き。名前はいろいろ考えたが、“カシラ”に決まった。ホーク、ジャッカル、洋子、ボス、ヤクザ…といくつか呼んでみて、唯一反応したのがカシラだったのだ。
…数刻後、明がいつものように全裸で筋トレをしていると、不意に海老原がやってきた。どうやら普段乗らない愛車のエンジンをかけにきたようだが、海老原はやがて、やけに落ち着いた口調で切り出した。「…なぁ──、ファブル──。いや、佐藤──。今晩、空いてるか?」
◆それぞれの“戦場”
「静かな車やなぁ──」。午後9時すぎ。明は海老原の車の助手席で、ただ流れゆく景色をみていた。海老原の“移動車”は彼の愛車であるハコスカと違い、ごく近代的なハイブリッドカー。ベンツやセルシオを乗り回していた時代と比べ、今のヤクザにはプリウスなどが大人気なようだ。だが、海老原は言う。“ハコスカは特別だ”と。「俺が組入る前から乗ってた──宝や!」と。それを聞いた明は、窓の外を眺めたまま「わかるよ──、俺にもある──」とつぶやいた。
「ウソつけ──、失うもんなんかねぇ──って顔しやがってェ」
「ただの銃やけどなァ──、あいつに2回、命を救われた事がある」
明は迷信深いわけではない。そこにはただ、救われたという事実があるだけ。海老原は明の無表情な横顔に何かを感じっとたのか、「命懸けるときは好きなチャカで──ってか」と声を落とす…。やがて車はどこかの埠頭(ふとう)へ。すると海老原は、明にある物を手渡した。モノを見て、明が聞き返す。「…どういう意味や──?」
「仕事する時は、ニット帽かぶるんやろ──。そもそも俺は、おまえがあの“殺しのファブル”って事自体、まだ疑(うたごう)とる──」。“ファブル(fable)”とは、寓話(ぐうわ)。そのあだ名は、ある日誰かが言い出して、いつしか裏社会に行き届いた。まるで『うさぎとかめ』『アリとキリギリス』だと、海老原はニヤリと笑う。「サボって怠けてると、いつかファブルが来るぞォ〜〜ってか──」
一方その頃、洋子は真黒組の下っ端・高橋に誘われて街の焼肉店へ。高橋は海老原に“妹から明の情報を探れ”と指示を受けており、洋子をあらゆる手でもてなしていた。だが、その実は下心でいっぱい。ビールを乾杯しながら、心の中では「(あ〜〜、なんてカワイイねや! 特に笑顔がいい!)」と浮かれていた。
そんな高橋とは対照的に、洋子は満面の笑みを浮かべながら「(食べ放題──3000円コースなのね──)」「(単品の特上ハラミが食べたいわ──)」と、心の中で不満を爆発させる。そもそも迎えにきた高橋の車はベンツではなかったし、さらにはいきなり焼肉に連れて行かれるのもどうなのだろうか…。終始作り笑いをする洋子をよそに、高橋はひとり「(マジでホレそう〜〜!)」と悦に入った表情を浮かべるのだった。