ドラマ『家庭教師のトラコ』× entax 俳優・中村蒼 単独インタビュー【前編】
2022.7.19 22:007月20日から放送がスタートする日本テレビ系水曜ドラマ『家庭教師のトラコ』に出演する俳優の中村蒼。大ヒットドラマ『家政婦のミタ』などで知られる脚本家・遊川和彦の作品に14年ぶりに参加する中村に、ドラマの見どころなどを聞きました。
――今回は遊川さんの作品に、どんな思いで挑まれますか?
まず14年ぶりにご一緒できることが、すごくうれしかったです。でも、それと同時に自分が14年の間にどれぐらい役者として成長したかというのを見られている気がして、毎日、現場では緊張しています。
――14年前の遊川作品『学校じゃ教えられない!』の現場では、どんな思い出がありますか?
当時は一緒の出演者の方々がほぼ同い年の人たちばかりで、すごく楽しかったというか、にぎやかだった思い出があります。むしろ、周りの大人の人たちからしたら「ちょっと、うるさい」っていうぐらい、はしゃいでいたのかなと思います。でも、それぞれの役柄が複雑で、みんな試行錯誤しながら毎日やっていたという感じですね。
――14年たって、役者としてどんな部分が成長したと感じていますか?
当時は“自分のセリフをいかにうまく言うか”ということが全てだと思っていたのですが、今は“自分のセリフが相手の人のためにある”、“相手の人がいかにセリフを言いやすくするために自分のセリフがある”と思えるようになって。いかに相手に影響を与えられるように自分が存在できるかっていうことは、当時の自分にはなかった考えなので、そこは少し変われたんじゃないかなと思います。
■遊川さんからのオーダーは「“切れ者感”みたいなのは忘れずにやってほしい」
――伝説の家庭教師・トラコ(橋本愛)の秘書を務める福田福多という人物をどんなキャラクターだと考えていますか?
東大卒で、財務省に勤めていた人間ということで、すごく賢い人間だなと思いますし、でもトラコのために身の回りのことをいろいろサポートしてあげている人間なので、すごく優しくて。人のために何かをしてあげるということに喜びを感じる、そんな人間じゃないかなと思います。
――遊川さんから「こんなふうに福多を演じてほしい」というオーダーはありましたか?
ありました。福多は時にはトラコの作戦のために別の職業の人に扮してサポートしてあげる優しさや、同時にそれが面白かったりするポイントでもあるのですが「財務省のエリート、東大卒のエリートだったっていう“切れ者感”みたいなものは忘れずにやってほしい」と言われているので、そこのバランスを意識しながらやっている感じです。
――実際に撮影が始まって、こういうところを工夫しているとか、新しく挑戦していることはありますか?
ドラマが進んでいくにつれて少しずつ明らかになっていくのですが、福多にも複雑な過去があって、なぜトラコにそこまで尽くすのかということも明らかになっていく。そういうポイントが第1話から少しずつ垣間見られるようなセリフがあったりするので、大事にしっかり逃さず演じていけたらいいなと思っています。
(後編へ続く)