『全方向美少女』で話題のシンガーソングライター乃紫(23) “バズり”ソングの背景に緻密な分析の数々
2024.3.18 16:45【ZIP!×entax】
日本テレビ系 朝の情報番組『ZIP!』の地上波未公開シーンをお届けするコラボ記事『ZIP!×entax』。今回は“いま話題の人”を紹介するコーナー『ハックツ!』から、SNSで話題沸騰中の次世代シンガーソングライター乃紫(のあ)への番組単独インタビューをピックアップ。“バズり”ソング『全方向美少女』誕生の裏側について語ってくれた。
■“計算されつくした”バズりソング
1度聴いたら耳から離れないと話題の『全方向美少女』。人気アーティストたちも次々とハマり、楽曲使用動画はTikTokで総再生回数14億回を超え、ビルボードチャートでは6週連続トップ3にランクイン。そんな“バズり”ソングを歌っている23歳のシンガーソングライター乃紫は、なんと“音楽”を始めてわずか1年半。テレビ初インタビューの彼女は「すごく楽しみで眠れませんでした」と、開口一番ではにかんだ笑顔を見せた。
『全方向美少女』は彼女の10作目となるオリジナル楽曲。2023年11月、「自己肯定感ブチ上げる曲作ったよ」の一言とともに投稿された“その動画”はみるみるうちに拡散され、わずか1か月でTikTokでの楽曲使用数が15万件を突破した。『全方向美少女』を作った経緯について乃紫は「そろそろTikTokでめちゃくちゃバズる音源を作ろうかなと思って作りました」と告白。続けて「(これまでの9曲は)私がやりたいことをやってきた音楽。その積み重ねの先に、まだ(自分を)知らない方々に届くような、SNSに寄り添った音楽を作ろうと思った」と視野を広げた結果に生まれたことを明かした。
“最初の3秒間が勝負”といわれるTikTokでこだわったのは、1度聴くだけで耳に残るキャッチーさ。『全方向美少女』の特徴は「正面で見ても横から見ても下から見てもいい女」というフレーズと、テンポのいいリズムやメロディー。曲作りで意識したポイントを乃紫は次のように明かす。
「どこから見てもいい女だよねって一発で理解できるし、ユーザーの目に触れた数秒間で印象に残さなきゃいけない世界なので、一発で聴いて一目惚れしてもらえるような曲を心がけています」
さらに、その印象的な歌詞については、SNSを日々研究し動画を投稿するユーザーの心理も考えて書いたという。
「どんなふうに動画が使われるか、どういう歌詞ならみんなが使ってくれるのかを考えて作った。(正面→横→下と)スマホのアングルを変えるだけで動画が作れて、ダンスの振り付けを覚える必要もなければ、動画の編集も必要ない。内カメの1本撮りで音楽が回っていくんじゃないかなと思いつきました」
計算されつくした『全方向美少女』は、まさに狙い通りの“バズり”ソングとなった。
■“強い自己肯定感”に海外も共感?
『全方向美少女』はTWICEやNiziUなども投稿動画に使用したことで、韓国でも話題に。その反響を受け、乃紫は予定になかった韓国語版を2月末にリリースした。
「韓国語の発音は、やわらかい丸みのある発音になるのでかわいいです。歌い方も韓国語のほうがやわらかい印象だった。日本語のとき、私的には突き差すような強気な感じで歌っていたんですけど、韓国語はもっと愉快に軽やかに歌うことを意識しました」
日本を飛び越え、海外でもリスナーの心をつかんだ理由を、彼女自身はこう分析する。
「曲のコンセプトが自己肯定感を上げることだったり、おしゃれやメイクをすることの楽しさについて歌っている。(国内外問わず)強い自己肯定感を持って、美しくなっていくことを楽しむみたいな文化がみなさんに定着していたから、そこにうまく乗ったのかなと思います」
時代のニーズに寄り添った音楽を発信し続ける、彼女の活動はこれからも目が離せない。