ムロツヨシ 映画『身代わり忠臣蔵』撮影スタッフが用意した“寒さ対策”でまさかの事態に「ほんとに危ない(笑)」
2024.3.12 16:45日本テレビ系 朝の情報番組『ZIP!』の地上波未公開シーンをお届けするコラボ記事『ZIP!×entax』。今回は、公開中の映画『身代わり忠臣蔵』(2月9日〜)で主演を務めるムロツヨシへの番組単独インタビューをピックアップ。一人二役で挑んだ撮影の裏側から、スタッフの気遣いからまさかの事態へと発展してしまったハプニングまでたっぷりと語ってくれた。
◆“小劇場”時代の経験が活きた、一人二役
映画『身代わり忠臣蔵』は江戸時代、吉良上野介(きら こうずけのすけ)が討ち入りされた有名な事件「忠臣蔵」を元にしたコメディー作品。「もしも上野介にそっくりな弟・孝証(たかあき)が討ち入り前に身代わりになっていたら…」という新たな視点で描かれている。
本作で残酷な兄(上野介)とひょうきん者の弟(孝証)を一人で演じているムロ。全く性格の違う二者を演じ分けることについては、「映画では一人二役は初めてなんですが、もともと僕は演劇をやっていて、特に小劇場とかだと一人何役もやったりするんです」と、“下積み時代”の経験があったおかげで抵抗なくやれたとコメント。歴史上で“悪人”とされることの多い吉良上野介の役は、その悪さをどこまで、どう表現すべきかが大変だったそうだが、逆にみんながとっつきやすい性格の弟・孝証との“振り幅”があったために撮影もやりがいを持って臨めたと語った。
その一方で「あそこは大変でしたね」と明かしたのが、“上野介が金魚にエサをあげるシーン”の撮影。弟・孝証とのやりとりや、画面の中で“同時”に出演する時間も多いため、撮影には丸一日かかったという。「“同ポジ”と言いますけど、二人同時のところはカメラを同じ場所に置いたまま(兄弟それぞれに)衣装を変えて芝居をやるので、やってる最中に芝居があってるかどうか分からなくなるんですよ(笑)」。そうしたシーンの撮影では、自分が演じていない側に代役を立てて撮影するそうだ。
「テンションが大丈夫かどうかもその人に合わせるので、『もう少しあげていきたいです』とか話し合いながら。代役の方には申し訳ないけど、その方も楽しくやってくれたので、そこ(兄弟が同時出演するシーン)は一緒に作ったようなものですね(笑)」
◆スタッフの気遣いが裏目に… 「気持ちはありがたいんだけども(笑)」
インタビュー中、番組スタッフが「印象に残っているのはやっぱり川を…」と伝えると、ムロの表情がぴたりと止まる。「んんーあれはねぇ……、すごかったよ…?」。急に真顔で話し始めたムロに、現場からは笑いが起こった。“あれ”とは、弟の孝証が“川を流れるシーン”のこと。
ムロいわく、京都で行われた撮影当日は陽(ひ)が出ておらず、よりにもよって最も気温が低いときだったそう。スタッフ側が寒さ対策として“テントサウナ”を用意してくれたそうだが、その気遣いがかえって裏目に出たという。
「スタッフさんが『川に入ってムロさん寒いだろうからテントサウナ入ってください』って言うんだけども、中に着ているちょっと薄いウェットスーツみたいなものに汗をかくんですね? いったらその汗が急に凍りだすというか、異常な寒さで、そんななかまた川に入っていくからもう二重に寒いわけですよ!(笑)」
撮影隊の中で唯一、ムロだけが体感した強烈な寒さ。撮影を中止することはなかったが、“テントサウナに入るルート”だけは禁止してもらったそうだ。「みんなは良かれと思ってやってるからね、いやほんとその気持ちはありがたいんだけども、ほんとに危ないからって(笑)」。それでも川流れのシーンは4〜5回撮影したというムロ。身振り手振りで場を和ませながら、当時の出来事を笑顔で振り返った。