城桧吏 グロスを塗ったり編み込みに悪戦苦闘 『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』単独インタビュー

2024.2.24 18:00

お笑い芸人ネプチューンの原田泰造が主演を演じるドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』では、偏見だらけの古い価値観を持つアラフィフの“おっさん”が、ゲイの青年との出会いによって自分の常識をアップデートしていくストーリー。現代の課題ともなっている多様性をテーマに様々な事情や個性を持つ人物が登場しており、SNSでは「父の価値観が変わっていくのが好き」「セリフが名言ばかり」「いろいろ考えさせられる」といった声が寄せられるなど大きな話題となっている。今回そんな“おっさん”の息子・翔を演じる城桧吏に、ドラマについて話を聞いた。

■役作りのためメイクに挑戦!

―――この役のオファーを受けたとき、どのようなお気持ちでしたか?

城:翔は自分の“好き”がしっかりある芯の強い子で応援したくなるようなキャラクターだなと思いました。今までにやったことが無い役柄で不安もありましたけど、新しい自分の発見がありそうで楽しみな気持ちもありました。また、多様性について考えるきっかけにもなりました。

―――翔とご自身が似ている部分はありますか?

城:たとえば翔は同い年くらいの子が苦手なんですけど、僕も自分から同い年くらいの子に話しかけに行くのがあまり得意ではなかったり。かわいいものが好きなところとかは、僕もぬいぐるみなどが好きなので似ているなと思いました。

―――演じるうえでプレッシャーなどはありましたか?

城:プレッシャーはありました。翔は “かわいい”美形のキャラクターなので、「僕でいいのかな?」という不安は少しありました。

演じるうえでは、翔は繊細で感情の振り幅があるキャラクターなので、お父さんや学校の友達から何か言われたときに「翔だったらどう思うんだろう?」と考えながら感情の揺れ具合などを調節したり、顔の表情や動きを話ごとに細かく変えるよう意識しました。

■母に「いつもの桧吏とちがう。かわいい!」と褒められたメイク

―――役作りについては、独自に練習したこともあったそうですね。

城:はい、メイクはしたことがなかったので家で動画を見ながらやり方を勉強したりもしました。

グロスを塗るのが思ったより難しくて、うまくなじんでなかったり端までついてなかったりと結構苦戦しましたけど、徐々に慣れてきて、鏡に映る姿を見て「かわいくなってる」と思ったりしました(笑)。

ドラマの中で髪の毛を“編み込み”するシーンがあったんですけど、“三つ編み”は出来ても“編み込み”がよくわからなくて。メイクさんに教えてもらいながらやりましたね。最初難しかったけど練習していくうちに結構できるようになり、自分は意外と手先が器用なのかなという発見もありました。

―――家で練習されたときは、ご家族からは何か反応ありましたか?

城:母から「いつもの桧吏とちがう。かわいい!」と言われました(笑)。

―――美容への意識も変わりましたか?

城:これまで化粧水ぐらいは使っていましたが、特別なことは何もしてなかったんです。母からたまに「パックしたら?」と言われたらやるという程度で。でも今回、翔という役をやらせてもらい少しやってみようかなって思いました。

まずは化粧水から代えてみたり。そしたら肌の質感がちょっとモチっとしました(笑)。5話に出てくる翔のセリフの中で美容に関する知識を話すシーンがあるんですけど、そこで翔から学んだことをやってみたりもしました。

■ドラマのおかげで自分もアップデート出来た

―――原田泰造さんはじめ共演者の方たちとの現場はいかがでしたか?

城:原田さんは現場の雰囲気を明るくしてくれました。今回俳優として初めて共演させてもらったのですが、演技を見ていて何とも言えない表情がすごいなと思いました。原田さんみたいな顔の表現を僕も出来たらなと思いました。

中島颯太(FANTASTICS)さんは優しくて面白くて、ボケたときにはツッコんでくれたりしてまさにお兄ちゃんみたいな感じでした。颯太さんとは考え方とか共感することがたくさんあったんです。

たとえば僕は夜暗くなるまでお仕事するのが好きなんですけど、その話を颯太さんにしたら「僕も!!」って。「夜のロケバスとかいいですよね!」って言ったら「めっちゃわかる!」って2人で盛り上がったこともありました。

姉の萌役・大原梓さんは、本当にお姉ちゃんみたいな存在で、何かするときに手伝ってくれたりとか持ってきてくれたりとかやさしくて。いつも気遣ってくれたりしました。

―――ドラマのように、城さんご自身がアップデートしたいことはありますか?

城:アップデートしたいことというより、アップデート出来たことがあります! それは、僕と翔の似ているところとしてもお話ししましたけど、同い年くらいの子とのコミュニケーションが苦手で、翔が成長していく姿を見て僕も勇気づけられて、学校でのペアワークなどで初めて会う人とかに自分から声をかけるようになりました。

城:この作品を通して、是非みなさんも自分の“好き”を大切にしてほしいですし、ありのままの自分でいいんだということを感じて頂けたらと思います。

【城 桧吏(じょう・かいり)Profile】
2006年9月6日生まれ。東京都出身。7歳の頃、スカウトされ芸能界へ。映画『万引き家族』(2018年)のオーディションで是枝裕和監督の目に留まりメインキャストに抜擢。同作は第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞。その後映画『約束のネバーランド』(2020年)に出演。映画・ドラマ『都会のトム&ソーヤ』(2021年)では初主演を務めた。その他主な出演作に、映画『ゴーストブック おばけずかん』(2022年)、日本テレビ系水曜ドラマ『ファーストペンギン!』(2022年)、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』(2023年)、ドラマ『風間公親-教場0-』(2023年)など。

▼ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
家族からも嫌がられる古い価値観を持ったカタブツの「おっさん」(=沖田誠)が、とあるゲイの青年との出会いによって、これまでの『自分の常識』をどんどんアップデートしていく。躓きながらも奮闘する姿に登場人物全員にも「気づき」を与え、周りもアップデートされていく。すべての人たちの『好き』を肯定し、応援するハートフルなホームコメディドラマ。

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