井上祐貴単独インタビュー 野島伸司脚本ドラマ『何曜日に生まれたの』は「予想がつかない展開。だから演じていて面白い」

2023.8.6 11:00

ABCテレビ/テレビ朝日系で8月6日に放送がスタートするドラマ『何曜日に生まれたの』。飯豊まりえが主演、脚本を野島伸司が担当するこの作品は、ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か、といった多様な面を持っていて、まったく先が読めない展開になっていくという。この衝撃作でヒロインの高校時代の友人、江田悠馬を演じる井上祐貴に、ドラマの見どころについて話を聞いた。

■クラスの人気者のリアルな人間性に共感

――井上さんが演じる江田悠馬は、引きこもりの主人公・黒目すいの高校時代の友人だそうですね。どんな性格のキャラクターなのでしょうか?

サッカー部のエースストライカーで、他の学校の人たちからも注目されてて、わりとキラキラしている…というのが彼の表面的に見えているキャラクターですね。ムードメーカーみたいなところもありますし、男女問わず好かれるタイプなのかな、と感じています。
でも少しうまくいかないことがあった瞬間に、いつもは言わないようなことをバンと言ってしまったりして。僕は台本を読んでいて、そういうところが、とてもリアルだと思ったんです。悠馬は最初、美化されすぎているので。これは悠馬だけでなく、それぞれのキャラクターが追い詰められた時にぽろっと出てしまう。そういった人間性みたいなものが描かれているので、すごく面白いと思います。

――そうすると、ご自身との共通点も多く感じられますか?

当たり前にあると思っていたことが当たり前ではなくなった瞬間に、自分の弱さが出ると  いうところにすごく共感できますね。それとともに、当たり前だと思っているものに対して、もっと感謝の気持ちを持ったり、大切さをかみしめながら生きていかないといけない、とも思いますし。
悠馬はこれから物語が進むにつれて、経験を経て気づくことがたくさんあると思うので、僕も一緒に成長というか、悠馬とともに進んでいけたらいいな、と思っています。
ヒロインの黒目すいとの関係については、特に悠馬は濃いポジションにいるキャラクターです。本当にここからどうなっていくのか。どんどん物語が動いていくので、注目していただきたいですね。

■一読者としても、早く結末を知りたい

――『何曜日に生まれたの』は「ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か」と説明されているように、かなり多様な要素がつまったドラマになっているそうですね。井上さんはどんな要素が強い物語だと思われましたか?

この作品はラブの要素もあるし、ミステリーもあるし、人間ドラマだし。人によって変わるような気がするので、「結局、どれなんだろう?」という答えは、たぶん出ない気がしています。
そんな中、僕自身はどちらかというとミステリーだと思っていて。それとラブ要素ももちろんあるんですけれど、人間の群像劇みたいな感じがするんですよね。人間のぐちゃぐちゃしたところを、そのままポンと出したようなシーンが多い、という印象があります。
だからとても小さくて細かいところに、たくさんの共感が散りばめられていると思いますし、全キャラクターに人間くささのようなものが感じられて。先ほど「悠馬には共感するところが多い」ということをお話しましたが、物語全般を見ても「こういう人って、実際にいるな」と感じる部分も多いです。
非常に見ごたえがあって、物語もどんどん予想がつかない展開になっていくので、ぜひ1話から最後まで見てもらえたら、と思います。

――やはり野島ワールドの脚本という感じなんですね。

やはり書く人によってこんなに世界観というものは変わるんだ、と改めて思ったというか。僕の知っている野島さんの作品の雰囲気が、そのまま台本にある、という感じがします。

――ミステリーの部分もあるから、まだ話せない部分もたくさんありそうですが。

正直、僕も今の段階では最終話までの台本が手元に届いていないので、最後がどうなるのかは分かっていないんです。野島さんの脚本は1話で一気に、最初と最後でそのキャラクターの印象がガラリと変わったりするから、悠馬という役もまだ自分の中では完成してはいませんね。もちろん、あえて知らない方が良いこともあるとは思うのですが。

――なるほど。

途中では悪いと思っていた人が、まったく悪くなかった、ということも起こったりしますし。

――台本が来るごとに、「実はこうだったんだ」と驚くことも多い、と。

そうです。ファンタジーという面もありますから。

――キャストの皆さんも、撮影の時に「どうなるんだろう?」といったお話をされたりするのでしょうか?

今回は全9話なのですが、現時点ではキャストの手元に最終話の台本が届いてなくて。「9話でどうなるのか分からないよね」という話をしています。だから今あるもので演じていく必要があって。軸にするものが分からないから難しさも感じますが、そこが演じるうえでの面白さにつながっている気がします。
でも僕としては、早く結末を知りたいですね(笑)。

【井上祐貴  Profile】
1996年6月6日生まれ。広島県出身。2017年に『第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン』で審査員特別賞を受賞。2018年にミュージカル『ピーターパン』海賊マリンズ役で役者デビュー。2019年に『ウルトラマンタイガ』でドラマ初主演。主な出演作に、ドラマ『卒業タイムリミット』(2022年)、『イケメン共よ メシを喰え』(2022年)、『silent』(2022年)、『大奥』(2023年)、『花嫁未満エスケープ 完結編』(2023年)、『unknown』(2023年)、映画『NO CALL NO LIFE』(2021年)、『明け方の若者たち』(2021年)など。2023年2月には1st写真集『いま』を発売、3月にはファンクラブを開設した。

【ドラマ『何曜日に生まれたの』】
27歳の黒目すいは、漫画家の父・丈治と二人で暮らす、ほぼ引きこもりの家事手伝いだ。
彼女が部屋に閉じこもってから10年が過ぎた頃、丈治の連載の打ち切りが決定した。担当編集者の来栖久美は、生活のために「なんでもやります」とすがる丈治に、大ベストセラー作家の公文竜炎が原作を書き、丈治が作画を担当する、コラボを提案する。ジャンルは鮮烈でピュアなラブストーリー。公文からの条件はただひとつ、すいを主人公のモデルにすることだった。

写真:©entax

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