元巨人軍監督・高橋由伸氏 「大谷君も基本をしっかりやっている」子どもたちに伝えたい野球論とは?

2023.8.3 15:00

読売ジャイアンツ・原辰徳監督の声掛けで2010年に始まった、少年少女の野球教室がベイスターズの本拠地・横浜スタジアムで開催された。講師を務めたのは、元ジャイアンツ監督の高橋由伸氏をはじめ、“ミスター・パーフェクト”こと槙原寛己氏などそうそうたる顔ぶれ。技術指導はもちろん、フェアプレーや礼儀の精神を伝えるだけでなく、不使用となった野球用具を回収し、国内外の子どもたちへの寄贈も行っている。

神奈川県内の小学生軟式野球チームから約400人の選手が参加し、広大な横浜スタジアムいっぱいに広がって、“走攻守”すべての基礎を学んだ選手たち。指導した高橋氏は、「子どもたちはYouTubeやテレビでメジャーリーグなどの試合を観られる中で知識や目が肥えているというか、いろんなことを知っていますが、まだまだ基本的なことが大事な時期なので、基礎を僕たちが教えていけたらなと思います」と思いを口にすると、続けて「大谷君がすごいと言われていても、基本的なことをしっかり準備してやっていることが(プレーに)つながっていると思いますから、そういったことも伝えていかなくちゃいけないと思います」と、メジャーリーグで異次元の活躍を続ける大谷翔平選手を引き合いに出して、基礎の大切さを語った。

バッティングを指導する高橋氏

野球人口の減少がささやかれている昨今。総務省が5年ごとに行っている統計では、1年間で野球をした10歳以上の割合が2016年は7.2%だったのに対し、2021年は6.3%と低下している。(令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要 26ページ)

3月のWBC優勝や大谷選手の活躍など明るいニュースも多い中で、野球人口を増やしていきたいという思いが野球人たちの中にはあるにちがいない。しかし、このイベントの大きな目的は、野球用具の不足に悩む国や地域へ用具を寄贈すること。これまでもイベント参加者から譲り受けた使用しなくなった用具が、ガーナやタンザニアなど21か国に3万点近く寄贈されたという。コロナ禍だったため4年ぶりに再開されたこの活動。今回、参加した子どもたちから託されたのは合計183点。

バット:67
ボール:93
グローブ:18
キャッチャーミット:1
キャッチャーマスク:1
キャッチャープロテクター:1
バットケース:2

使用しなくなった野球用具を託す子どもたち

思いがこもった沢山の用具。野球を通じて世界中の子どもたちを笑顔にすることがこのイベントの最終目的だという。

『ファンケル キッズベースボール 2023』今後の開催予定:9月30日・札幌市/12月・那覇市

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