【ライブリポ】植草克秀がソロコンサートツアー始動 キレッキレのダンスと笑いで満ちたステージは今秋テレビで初放映も!

2023.5.5 19:30

夏日を迎えた5月4日、東京・日本橋三井ホール(東京都中央区)では外気を超える熱いライブが行われた。独立後2度目となる植草克秀のソロコンサートツアー『KATSUHIDE UEKUSA 2033 MOVING ON 〜Second Season〜』だ。この日は3日間にわたる東京公演の最終日。名古屋・大阪と続くツアーを前に「死ぬ一歩手前までがんばる」とパワー全開の植草と、いくつものサプライズ発表にどよめいた会場の様子をレポート。

■「きょうはみんな、帰れないよ」 全32曲、3時間を超えるロングステージ

600人近い観客は開始時刻の14時が待てない様子だ。「カッちゃん! カッちゃん!」。既に総立ちの観客は、植草の少年隊でのトレードカラー、黄色のペンライトを握りしめ、掛け声に合わせてテンポよく振っている。練習してきたのか、みんな合っている。

10分は続いただろうか「カッちゃん」コールが盛り上がったところに、植草がシルバーの光を放つまばゆい衣装で登場した。会場は歓声と激しく揺れるペンライトの光でまっ黄色になった。と同時にオープニングゲートから飛び出しダンスを始めた植草は、1曲目からキレッキレのダンスを披露。すると、観客の熱い思いが会場を揺らし始めた。

1曲目終わりでトークに入るのかなと思いきや、植草はダンスを止めない。ダンサーらと躍動的なダンスと歌唱を次々と披露し、4曲目にはロングトーンが際立つ愛の歌を歌い上げた。植草の持ち味でもあるハイトーンボイスはゆるぎなく、3曲踊った後とは思えない原曲キーで奏でる歌声のパワーは圧巻の一言だ。

植草は今年57歳になる。既に2日間で3公演を行っている。前日のツイッターでは「若い頃1日5公演とかやってた事あるけど流石に今回のはキツイ」とつぶやいていたが、そんな様子はみじんも見えない。大スクリーンに映し出される植草の表情はキリリと締まり、ダンスの動静をピタッピタッと決める姿は“若い頃”と変わらない。

トーク中も観客は総立ちだ。コンサートでの声出し応援が解禁になったことを受けて植草は、「マスクが破れるくらい叫んじゃってください。(破れたら)それはしょうがないよね」と笑わせる。同時に、「マスクをしていたら立ってもOK、応援もOK。でも、後ろの方には迷惑をかけないようマナーを守ってくださいね。欲張りじゃなく、気配りね」とジョークを交えてマナーを伝える。

「疲れていると思っているでしょ。違うんだな。これからガンガン行きますからね! まだまだ序の口ですから! これからずーっと続きますから! きょうはみんな、帰れないよ」

最初に植草がそう宣言したとおり、この日のコンサートは植草の軽妙なしゃべりと、6曲連続の激しいダンスパートなどを含めた全32曲、3時間を超えて盛り上がったのだ。

■元光GENJIの山本淳一と佐藤寛之をゲストに「おまえらほんとうにスケートが似合うよ」

昨年はソロとして初めてのツアーを1人で完遂した植草だが、今年は違う。スペシャルゲストとして迎えた元光GENJIの山本淳一と佐藤寛之が一緒だ。ローラースケートで登場した2人に植草は「(ローラースケートを履いているから)さーっと登場するよな。涼しい顔してずるいよ。でも、おまえらほんとうにスケートが似合うよ」とジャニーズ事務所時代の後輩をたたえた。

植草が2人と歌いたいと選んだ曲の1つは、光GENJIの代表曲『勇気100%』だった。「この曲、歌ってほしかったんだよ。光GENJIの代表曲って言うと大体『パラダイス銀河』がかかるけど、俺はこっちのほうが懐かしい。(『パラダイス銀河』は)♪よ・お・こ・そ~、ここへ~ クッククック(笑)だろ」と、光GENJIと往年のアイドル・桜田淳子の『わたしの青い鳥』をつなげては観客を喜ばせる。

山本から植草に質問が飛んだ。「(植草さんはツアーが始まると)ご飯も食べないし、いろんなことを考えていて、ぜんぜん寝ないのに、そのパワーはどこにあるんですか?」すると植草が「わかんね」と答える。再び山本から「昔からですか?」植草「わかんね」コントのような会話が続いては観客を笑わせる。

さらに植草は、山本と佐藤からサプライズでプレゼントされたというローラースケートをステージで履いてみる。ターンしようとして転倒。これもご愛敬とファンを笑わせるのも、植草のサービス精神だ。50歳を過ぎてもローラースケートを巧みに操る後輩2人の、スケートの止め方をいじりつつも、最後は「(ローラースケートを)大事にするから」と握手。客席は笑いと暖かさに包まれた。

山本と佐藤のダンスシーンでは、5人のキッズスケーターも登場した。メンバーは小学生から高校生。メンバー1人ずつに声をかける植草の姿に山本が「(子どもたちといると)おじいちゃんですよね」と、つっこむシーンも。ジャニーズ時代の衣装替えスピードの話や、舞台上での汗の飛ばし方の話まで、3人だからこそできる思い出話が加わり、今年は昨年とひと違うステージになっていた。

■初のTV放映を発表 7月8月9月10月は植草づくしだ

コンサートも2時間を超えた頃、サプライズが発表された。

バンドメンバーをいじりつつ、愛情を持って一人ひとりを紹介する植草。
「多彩なメンバーなんです。ずっと死ぬまで一緒にがんばっていきますのでバンドメンバーもよろしく。で、それで、このコンサートなんですが、チャンネルNECOさんで…」植草の言葉から何かを予感したのか、客席から悲鳴が上がる。

「テレビでやることになりました!」

客席は拍手とどよめきで沸き立った。「でしょ、でしょ! コンサートとは別の日でドキュメンタリーも。別々で2回やります!」高らかに発表した植草だが、総立ちで拍手と声援がやまない観客に「ということで、皆さん座ってくださいね。みんな倒れちゃうから(笑)」と、興奮する観客をなだめる一幕も。

「映画・チャンネルNECO」では、今年9月と10月に「【2ヶ月連続】植草克秀 特集」を放映することが決定されたのだ。9月は第1弾として、この日のコンサートの模様を。10月には、本コンサートのリハーサルから本番の舞台裏に密着し、植草のツアーにかける思いや、本人が目指すエンターテインメントの形を描き出す。

さらにサプライズな発表が続く。
「今朝スタッフとミーティングをして、今年の8月に(山本と佐藤の)3人で何かをやることが決まりました! 楽しいSHOW & TIMEをつくろうと思っています! 期待してください!!」
会場は再び拍手と興奮に包まれた。

既にコンサート中盤で、7月に開催される植草のバースデーイベントの詳細が発表されている。今年の7月、8月、9月、10月が植草づくしになる。ステージ上の植草の笑顔、ファンの歓喜の声とふり続けられるペンライトの光が一緒になって、会場がキラキラ輝いて見えた。

コンサートも終わりに近づき、植草の歌声に観客の合わせて歌う声が大きくなる。「こうやって皆に会えて、一緒に歌えるなんてすげぇうれしい。歌を覚えていてくれるだけでもうれしく感じています。もっともっと長くできるんじゃないかなと思っていたけど、東京は千秋楽になっちゃってさみしい気持ちです」と最後に新曲『さよなら』を披露して、植草はステージを去った。

植草の姿が見えなくなると、再び「カッちゃん」コールが始まった。アンコールに応えて再び登場した植草が用意した、この日のほんとうの最後の曲は「昨年のツアーで、皆で歌って泣いてしまった」という『グッバイ・カウント・ダウン』。圧倒的に女性が多いものの、若い男性や小さな子ども連れの姿も見える観客席と、笑顔の絶えない植草の大合唱で3時間超のライブが幕を閉じた。

■植草克秀 コンサート&ドキュメンタリー TV初放送情報

タイトル:【2ヶ月連続】植草克秀 特集
放送局:CS放送「映画・チャンネルNECO」(運営:日活株式会社)
●第1弾:2023年9月放映
自身2度目となるソロコンサートツアー『KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON 〜Second Season〜』から、5月4日(木・祝)に日本橋三井ホールで開催された東京公演最終日の模様を収録。
●第2弾:2023年10月放映
『Backstage~植草克秀~』と題して、『KATSUHIDE UEKUSA 2023 MOVING ON 〜Second Season〜』のリハーサルから本番の舞台裏までを密着取材。

【植草克秀 Profile】
1966年生まれ。1980年にジャニーズ事務所に入所し、田原俊彦、近藤真彦などのバックダンサーを経て85年、錦織一清、東山紀之と共にアイドルグループ『少年隊』としてデビュー。以降、35年以上にわたり人気ドラマやミュージカルなどの舞台で俳優や歌手として活動。「カッちゃん」の愛称で親しまれ、TBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』では第2シリーズから約15年間出演していた。2020年末の前事務所退所後、新会社「2steps」を設立。ディナーショーやコンサートなどの音楽活動を積極的に続ける。

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