声優・神谷浩史 “3部作”ならではの芝居への向き合い方とは「引き算の芝居を心がけて臨んでいました」『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』舞台あいさつレポート
2025.3.18 18:35
3月14日(金)より全国で公開中の『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』の公開記念舞台あいさつが行われ、声優の神谷浩史、日笠陽子、戸松遥、堀内賢雄、鈴木清崇監督、中村健治総監督が登壇し、それぞれの役柄やアフレコ現場でのエピソードを語った。
公開を迎え、上映後の会場から大きな拍手が上がる中、それぞれが感無量の面持ちでステージに上がった。全三章構成の劇場版の第一章にあたる『劇場版モノノ怪 唐傘』に続いて、ミステリアスな主人公・薬売りを演じたのが神谷だ。『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』において進化・変化させたポイントに話が及ぶと、「(第一章と)地続きの話なので、ここを変えてやろうとは特に思っていません。薬売りは信念を持って大奥に侵入しているので、そこさえブレなければいいかなと思っていました」と大切にしているポイントを吐露。
「第三章を見越して作っているので、最後に火鼠を祓う時に“すべての力を振り絞って祓う”ということはやらないでおこうと考えていました。その先にもまだなにかいるんだと思って、彼は動いている。第一章、第二章も、あまりにも力を入れすぎて、ここですべてを出し切ることはなるべく控えようと。引き算の芝居を心がけて、臨んでいました」と全三章としてのこだわりを口にしていた。
続けて、神谷は「周りがどれだけ動いていようが、薬売りだけは真ん中にいて、物語の真実を見つめているという役。ブレることはない」と薬売りについて分析。これには中村総監督も、「周りが変化しても、薬売りには変化してほしくない。周りの感情に引っ張られないように、凛としていなければいけない」役だと語り、神谷が制作陣の思いにしっかりと応えた演技をしてくれたと感謝を伝えていた。

天子の寵愛(ちょうあい)を一身に受ける町人出身の御中臈(おちゅうろう)・フキを演じた日笠は、「天子様の前でもブチキレるくらい、激しい感情を出している役。大奥の中で、自分を道具にしているような情念を腹に抱えている役」だとキャラクターを紹介。戸松が演じる、名家出身で大奥最高職位の御年寄・ボタンとは対立する場面もある。日笠と一緒にアフレコができたと振り返った戸松は、「生でバチバチ。アフレコでも、のびのびとやらせていただいた」と日笠と笑顔を見せ合った。
