シリーズ最新作『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』 声優・日笠陽子&戸松遥が明かす、大奥“お世継ぎ問題”の裏事情「ビジネス関係みたいな(笑)」

2025.3.10 18:00
日笠陽子と戸松遥の写真

大奥を舞台に新たな物語が紡がれる『劇場版モノノ怪』三部作の第二章・火鼠(ひねずみ)が、いよいよ3月14日(金)より全国で公開。entaxでは、今作のキーパーソンである“2人の女中”を演じる日笠陽子&戸松遥にインタビュー。“クセつよ台本”に翻弄されたアフレコエピソードのほか、“もしも大奥に入ったら”というテーマでは、日笠が「大好き」と明かす天子様との不思議な関係性を明かしてくれた。
(※ストーリーの重要なネタバレは含みません)

『モノノ怪』は、2006年に放送されたTVアニメ『怪~ayakashi~』の一編『化猫』から派生したシリーズ作品。和紙テクスチャを活用した絵巻物のような世界観や映像美、“退魔の剣”を携える主人公・薬売り(CV.神谷浩史)のミステリアスさ、キャラクターたちの感情が複雑に絡み合うストーリーなどが人気。

2024年には初の映画作品にして三部作の第一章『劇場版モノノ怪 唐傘』が公開。ロングラン上映を記録したほか、第28回ファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞(今敏賞)と長編アニメーション部門観客賞銅賞を受賞した。

3月14日(金)公開の『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』では、世を統べる天子(CV.入野自由)のお世継ぎを巡り、大奥内でうごめき出す家柄同士の謀略と衝突に焦点が当てられ──日笠は町人出身の女中・時田フキを、戸松は気位の高い、老中大友の娘・大友ボタンを演じている。

日笠演じるフキ
戸松演じるボタン

◆クセが強い?オノマトペにあふれた“モノノ怪台本”

──今回『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』の台本をお持ちいただいているのですが、かなり分厚そうですね…?

日笠 そうなんです!(※黒と白の2冊を持って)これ何本分だ?みたいな!しかも結構重いから、アフレコの最後の方になっていくと左腕が“持っていかれる”っていう…(笑)

戸松 ね!(映画1本分のはずなのに)1冊で2時間分ぐらいの厚さある(笑)

──なぜそんなに分厚いのでしょう?

日笠 開いてみるとわかるんですけど、1シーンの中にカット数が本当に多いんです。例えば「おはようございます」っていう一言が4カットに渡って書いてある感じ。思わず“どこで切るねん!”って(笑)だから、我々のしゃべっている感覚としては割と短かったんですよ。セリフ数はそんなにない──そのくらい“絵で見せる作品”で、かつ間(ま)もきちんと取られているんですよね。

人物や風景などの描き込みも思わず息をのむほど

日笠 セリフ=お芝居ではなくて、会話のテンポだったり、キャラクターの思惑や空間だったり、そういうのも全部ひっくるめてのお芝居になっているので、アフレコをしていてもなんだか“恐ろしい魔力を持っている…”と感じました。

戸松 本当にその通りかも!アフレコの時は、今自分がどこにいるのかを常に確認しつつ、ものすごいスピードでページをめくらなきゃいけないので大変でしたね(笑)

日笠 気づいたら進んでるからね!(笑)

戸松 一般的な劇場作品の何倍くらいカット数あるのかと…まぁそれが『モノノ怪』の特徴でもあるんですけど(笑)

スピード感のある映像は、“アクションシーン”でより顕著に

戸松 実は私、台本の中で気になったことがあって!ト書き部分(登場人物の動きや行動・状況などの指示)なんですけど──(手元の台本をめくって)。

戸松 「うわー」とか「イラッ」とか、その時々の感情をニュアンスで書いてくださっている部分があって、それがツボで(笑) 例えば【「こいつが原因か」と、“ぐわーっと”怒りの表情に変わるフキ】とか。こういうのは、台本を見られる役者ならではの楽しみ方なのかなと。

戸松遥の写真

日笠 戸松さん、結構「ぐわーっ」だったよね(笑)

戸松 そう、(演じるボタンが)「ぐわーっ」なタイプ(笑) もうね、ほんと「ウヒョー」とか書いてあるんですよ(笑)でもそれが、(演じ手として)ああ、なるほど!と思えるものだったりして──。

日笠 そうそう(笑)逆にわかりやすかったりして、通じ合えるというか。

戸松 作品自体はちょっと重苦しくなりがちなシーンがあったりするんですけど、このト書きに救われたというか、感情的に書いてある感じが私的にはすごくわかりやすくて面白かったです(笑)

キャラクターの表情の豊かさにも注目だ
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