松たか子 映画『ファーストキス 1ST KISS』で印象に残ったシーンは?
2025.3.4 20:15
松たか子が公開中の映画『ファーストキス 1ST KISS』の福岡舞台あいさつイベントに登壇。印象に残ったシーンや演じた役柄との共通点を語った。
日本のドラマ・映画界を牽引する脚本家である坂元裕二と、数々の大ヒットドラマの演出や、『ラストマイル』、『グランメゾン・パリ』の監督を務めた、大ヒットメーカーの塚原あゆ子監督が初タッグを組んだ『ファーストキス 1ST KISS』が、2月7日(金)より公開中。
松たか子演じる主人公≪硯(すずり)カンナ≫と、松村北斗演じる夫≪硯駈(かける)≫が繰り広げる、時にコミカルで、想像を超える展開は号泣必至の、普遍的で壮大なラブストーリーが、観る者の心に深く刺さり、公開から絶えず話題となっている。3月2日(日)までの公開24日間で観客動員数117万人、興行収入16.7億円を突破し、公開4週目にして再び週末観客動員数No.1に返り咲いた。(※2月28日~3月2日 興行通信社調べ)
映画は、2024年の現在から“15年前”の2009年にタイムトラベルし、亡き夫に再び恋をする物語。奇しくも、映画としては『告白』以来 “15年ぶり”の地方キャンペーンとなる松たか子が、T・ジョイ博多で行われた舞台あいさつに登壇した。
松が「みんなに会いたかったけん。今日は福岡来たとよ~!」と博多弁を披露すると、会場からは「きゃー!」の歓声と拍手が。福岡には一昨年に博多座でおこなわれた舞台以来だという松は、「私の母が博多出身で、自分にもどこかに博多の血が流れているなとずっと感じながら育ってきました。一昨年の博多座公演の休演日に、博多座から電車に乗って、母が生まれ育った西公園の近くをぶらぶらしました。大濠公園や美術館がすごく素敵で、とってもいい休演日を一人で過ごした思い出があります。」と語り、「福岡は道も解放感があって気持ちがいいし、母が育ったんだという安心感があります。たまにお邪魔するとすごくほっとする感覚があります。」と福岡愛を語った。

また、再び週末観客動員数No.1に返り咲いたということに対して、「劇場に足を運んでくださるお客様やスタッフの皆さまの情熱のおかげです。演じた側としては、これ以上の幸せはないです」と感謝を述べた。「私より年上のご夫婦で観に行ってくれた知人が、旦那さんがご病気を乗り越えられるなど日々戦っていらっしゃる仲良しなご夫婦なのですが、『帰りに手をつないで帰りました』というメッセージを送っていただきました。そういう風に受け取ってくださった方が映画を観て豊かに感じていただいた感想なので、素直にうれしかったし、そんなお話に関われたんだと私も幸せな気持ちになりました。」と周囲からも素敵な感想が来たことを報告。現在公式SNSで開催されている「#解像度があがる映画ファーストキスのはなし」では、劇中の考察や気づいたことの投稿で盛り上がっていることに対して、松は「私自身が演じていて面白かったのは、劇中で演じたカンナがあの手この手でおしゃれをしたり、お化粧をしたりするのですが、最後にチャペルのシーンでは一番何でもない格好をしていることです。ヨレヨレのシャツとジーパンで、ここぞというときに彼女の努力は報われない、というのが愉快な女性だなと思いました。カンナの努力と現実の報われ度のズレも、またご覧になる機会がありましたら、楽しんでいただけたらと思います。」と語った。

その後、観客からの質問に答えるティーチインを開催。会場には2回目以上リピートした方が半分以上いたり、中には5回以上観たという観客も。松が大好きという女性の「松さんご自身とカンナの共通点は?」という質問には、「落ち着いているようで落ち着きがないところかもしれないですね。それが似てるっていうとカンナさんに失礼かもしれないですけど(笑)。私は理解できないという役はあまりないです。この人がこういう行動をするのはどんな理由かなと考えたり、なるべく役に寄り添いたいと思って演じています。」と演技についても真摯に回答。2回観て2回とも号泣したという女性は「私は『もう一回!』のシーンが好きですが、松さんが演じていて心に残ったシーンがあれば教えてほしい」という質問に、「『もう一回!』のシーンは、正直こんなに盛り上がってくださると思っていなかったです(笑)。私自身はカンナと駈が2人でホテルのロビーで話しているところから、『15年後の世界はどうなってる?』という問いかけから、『人は何を観ても聞いてもやばいしか言わなくなってる、やばいやばい』と言いながら2人で歩いていくシーンが好きです。もうお別れが分かっている2人が、無邪気にやばいと言い合える時間がすごく楽しくて、2人が何かを受け止めたんだということを感じられるのが印象に残っています。」と回答。
