カズレーザー “お金で得する20代、損する40代”… 単身世帯の金融資産保有額も平均値を下回る、40代のまさかの現状に嘆き
2025.2.12 10:15![カズレーザーの写真](/wp-content/uploads/2025/02/0211KAZZ_UpSkilling_Hyogaki_TOP.jpg)
カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が11日に放送された。インフルエンザの流行やSNS上のフェイクニュースなど、いま社会でホットな話題をテーマにした今回。『お金で得する20代 損する40代以上 広がる世代間マネーギャップの解決策』という講義では、泣くに泣けない今の40代が経験した逆境について語られた。
大手企業が相次いで初任給を30万円以上に引き上げたニュースは記憶に新しい。東京海上日動火災保険株式会社にいたっては最大41万円と、年収にすると社会人1年目にしてボーナス込みで500万円以上。講義を担当した名古屋商科大学大学院で教授を務め、金融アナリストでもある大槻奈那氏は、この傾向を「労働者にとっては非常に喜ばしいこと」と前向きに評価する。
![大槻奈那氏の写真](/wp-content/uploads/2025/02/0211KAZZ_OtsukiNami.jpg)
しかし、この件について手放しでは喜べない世代がいると言い、それが就職氷河期世代。1993年から2004年頃に就職した、主に40代を指す。氷河期世代にあたる出演者のお笑いコンビ・サバンナの高橋茂雄は「なんか僕らの同年代の人とかは最初の初任給って20万ぐらい。20万いかへんくらいぐらいでたぶんやってたから、後輩におごってること全部が腹立ってきて」と語ると、神田愛花も「そう、そうなんですよ。ばかばかしくなってくる」といった声があがる。
大槻氏はさらに、単身世帯の金融資産保有額の平均値を紹介。50代が1391万円、30代が594万円なのに対し、40代は559万円。30代よりも35万円も少ない数値になっていた。初任給が過去にないほど上昇している20代と比較し、大槻氏は現在を「お金で得する20代、損する40代」と表現。その世代間マネーギャップには、本人たちの努力不足では片づけることのできない、数々の経済問題があるという。
現在49歳の男性をモデルにしてその人生に影響を与えた経済の動きを振り返る。今から28年前の1997年、大学3年生で夢と希望を抱いて就職活動を始めた矢先、4大証券会社の一角、山一證券が経営破綻。その翌年、大手銀行が続々と倒産し、金融機関の信用が失墜したことで株価も大暴落。有効求人倍率も1を切り、就職できない若者が急増した。
やっとの思いで社会に出れば、今度は楽天、Yahoo!などの有名IT企業が創業し、日経平均株価は最高2万円台とV字回復。しかしそうしたITバブル絶頂期の2001年、アメリカのIT関連企業の経営破綻が日本市場を直撃し、株価はまたも大暴落。またしても多くの企業が新卒採用を大幅に縮小し、有効求人倍率は0.54倍で10人中4人が就職できない、まさに氷河期。100社を受けるのは当たり前。この時点で20代に連続して2度の経済危機を経験したことになる。
![神田愛花の写真](/wp-content/uploads/2025/02/0211KAZZ_Hyogaki_Kanda.jpg)
神田は当時を思い出すと、「自分も就職氷河期だったのでエントリーシートだけで55社出してるんですよ」とコメント。「とにかく自分の希望はどうでもいいから1社内定をもらうことで自信が持てて、それを武器に次の会社の内定をもらえる。そういう時代だったんですね」と、遠い日を思い出し目を細める。
ただしこれだけでは終わらない。2003年には労働基準法が改正。企業が非正規雇用者を雇いやすくなったが、逆に雇用問題が深刻化。転職しようにも正規雇用の仕事はほとんどなく、甘んじて安月給を受け入れるしかなかった。ここからさらに追い打ちをかけるのが2008年のリーマンショック。日本でも株価が大暴落、また不景気に陥った。リーマンショック後、日本全体の平均年収は大幅に落ち込み、その後数年間は元の年収まで上がりきらない状態が続いた。非正規雇用の社員を解雇する“派遣切り”も横行し、生活困窮者が年を越せるよう“年越し派遣村”が開設された様子は社会に大きな衝撃を与えた。
当時の、悲惨という言葉も生ぬるい状況だったということを改めて認識した浮所飛貴が「こんなこと言ったらあれですけど、かわいそうだなってめちゃくちゃ思いました」というと、神田は「かわいそうって思うんだったらすごいですねって思ってほしいです」と力強く応えた。
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