雑踏の音はフランスで録音、本当の蒸気自動車を実際に走らせてetc…『ハウルの動く城』はこだわりの効果音に注目!
2025.1.10 10:00日本テレビ系金曜ロードショーと、entaxがコラボレーション。これから放送となる金曜ロードショーのここでしか聞けない“とっておき情報”を紹介する。
1月10日は、宮﨑駿監督が生きる楽しさ、愛する歓びを描いた大ヒット作『ハウルの動く城』がノーカットで登場。
原作は、『アーヤと魔女』も手がけた、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童小説で、魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまった18歳の少女ソフィーと、美しい魔法使いの青年ハウルが心を通わせていくファンタジー超大作だ。
本作では、ヨーロッパの空気感を出すことが宮﨑監督の望みだったため、音響スタッフも効果音を録音しに、ヨーロッパへ行ったのだという。
街の雑踏の音は、フランスで録って来たものを日本語と混ぜて使い、物語に出てくる星の湖(ほしのうみ)の音は、ジュネーブ近くのレマン湖の音を使っている。
そんなふうに音のリアリティにこだわったスタッフたちだが、最も苦労したのは、ハウルの城の動く音だったそうだ。城が実在するような音を作らなければならなかったため、大工さんを呼んでスタジオに巨大な木の櫓(やぐら)を建てて城の軋(きし)む音とし、次に多種類の金属等をかき集めて、城のベーシックな音としたのだった。そこまでの作業に約1か月はかかったのだとか。その後、形が変わっていく城に合わせて、さらに音作りは続いた。
その他にもこだわったところはいくつもあり、例えば街を走る車の音は、今から100年ほど前の電気のない時代の物語ということで、ボイラーで沸かす蒸気自動車を持っている方に協力してもらい、実際に車を走らせて録音したという。
物語の世界に引き込む、それらの効果音に注目して観るのもおすすめだ。
また本作では、個性的なキャラクターたちを演じている豪華な声優陣にも注目。ソフィー役の倍賞千恵子、ハウル役の木村拓哉をはじめ、美輪明宏、神木隆之介(公開当時11歳)、大泉洋など実力派俳優の名演は必聴だ。
【ストーリー】
ソフィー(倍賞千恵子)は父が遺した帽子店で働く地味な女の子。恋にもオシャレにも消極的で、華やかな妹から心配されている。ある日、ソフィーは町で兵士に絡まれているところを、美しい青年に助けられる。不思議な力を持つ彼こそ、人の心臓を食べると噂(うわさ)されている美しい魔法使いのハウル(木村拓哉)だった。そうとは知らないソフィーは初めてのトキメキを感じるが、その夜、突然訪ねてきた荒地の魔女(美輪明宏)に魔法をかけられ、90歳の老婆に姿を変えられてしまう。
このままの姿では家にいることはできない…と旅に出たソフィーの前に、巨大なハウルの動く城が現れる。旅の道中で助けたかかしのカブ(大泉洋)に導かれるように城の中へ入ると、散らかった部屋の中に小さな暖炉があり、城の動力源である火の悪魔・カルシファー(我修院達也)の姿があった。カルシファーは、ハウルとある契約を交わしたせいで城の外には出られなくなってしまったのだという。カルシファーのお願いを聞く代わりに姿を元に戻してもらう約束を取り付け、ハウルの弟子・マルクル(神木隆之介)も味方につけたソフィーは、しばらく掃除婦として城で暮らすことになった。
好奇心旺盛だが憎めないソフィーのペースに次第に巻き込まれていくマルクルとカルシファー。城の中を無断で整理整頓してしまうソフィーを迷惑がっていたハウルも、徐々に彼女のいる生活を楽しみ始める。しかし戦争は次第に激しさを増していき、ハウルは魔法使いの師匠で王室付きの魔女であるサリマン(加藤治子)から呼び出しを受け…。
『ハウルの動く城』(2004)
1月10日(金)よる9時00分~11時34分放送 ※本編ノーカット、放送枠40分拡大
監督・脚本:宮﨑駿
原作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 「魔法使いハウルと火の悪魔」(徳間書店刊)
音楽:久石譲
プロデューサー:鈴木敏夫
声の出演
ソフィー:倍賞千恵子
ハウル:木村拓哉
荒地の魔女:美輪明宏
カルシファー:我修院達也
マルクル:神木隆之介
小姓:伊嵜充則
かかしのカブ:大泉洋
国王:大塚明夫
ヒン:原田大二郎
サリマン:加藤治子