ウクライナ国立バレエが再来日!菅井円加ゲスト出演の「ジゼル」
2024.12.27 16:30150年以上の歴史と伝統を誇るウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)が、2024年1月に新制作として話題となった「ジゼル」で再来日する。この公演では、特別ゲストとしてハンブルク・バレエ団のプリンシパルである菅井円加が出演することが決定している。ウクライナ国立バレエと菅井の共演が、今回の舞台にさらなる彩りを加える。
菅井円加がゲスト出演決定!
世界的に活躍する菅井円加が、今回の公演で「ジゼル」に特別出演する。菅井はノイマイヤー振付の作品を中心に活躍してきた実力派であり、今回も「プレミアム・ガラ」でノイマイヤーの『スプリング・アンド・フォール』を踊る予定である。さらに、ウクライナ国立バレエの主役ダンサーたちと共演する「ジゼル」は、彼女の力強く繊細な表現力が加わることで、より魅力的な舞台となるだろう。
歴史と伝統を受け継ぐウクライナ国立バレエ
ウクライナ国立バレエは、ボリショイ劇場やマリインスキー劇場とともに旧ソ連三大劇場のひとつに数えられ、多くの世界的なダンサーを輩出してきた。1972年の初来日以来、日本との交流を深め、毎年多くの観客に感動を届けている。
特に2022年、ロシアのウクライナ侵攻という困難に直面した際、日本からの支援を受け、バレエ団は希望を胸に“奇跡の公演”を実現した。そのような背景を持つウクライナ国立バレエは、今回も単なる舞台公演ではなく、日本とウクライナの友情の象徴としての役割を果たす。
新制作「ジゼル」の特別な魅力
今回上演される「ジゼル」は、2024年1月の東京公演で世界初演され、6月には本国ウクライナでも上演される予定である。今回の来日公演では、東京を皮切りに全国12都市、14公演で披露される。この作品は日本からの義援金を活用して制作され、ウクライナと日本の絆(きずな)を象徴するものとなっている。芸術監督の寺田宜弘は、この「ジゼル」を「日本とウクライナの友情のシンボル」と位置づけている。
物語は、村娘ジゼルが貴族アルブレヒトに裏切られるが、精霊ウィリに囲まれる世界でアルブレヒトを救うというロマンティックな展開を描いている。しかし、ウクライナ国立バレエの「ジゼル」は、ラストシーンの演出を大胆に再解釈している。原作は、ジゼルの深い愛によって命を救われたアルブレヒトと、再び墓の中へ戻ってゆくジゼルとの永遠の別れのシーンで幕を閉じるが、この新演出では、ジゼルの墓の前で息絶えたアルブレヒトとジゼルが、新たな未来に向けて共に歩み出す姿が描かれている。これには、毎日戦争で多くの人が亡くなるウクライナで、愛する家族や友人にお別れも出来ずに旅だったとしても、来世では魂が結ばれてひとつになるという希望のメッセージが込められている。
新しい舞台美術と衣装も見どころ!
今回の「ジゼル」では、65年ぶりに舞台美術と衣装が一新されている。第一幕ではウクライナの国花として象徴的な花であるひまわりを連想させる鮮やかな衣装が加わり、美しい舞台が展開される。第二幕ではウィリたちのコールド・バレエが披露され、精霊たちの無重力感が観客を魅了する。
「プレミアム・ガラ」と「初夢バレエまつり」
東京公演では、「プレミアム・ガラ」や「初夢バレエまつり」も上演される。
「プレミアム・ガラ」では、ウクライナ国立バレエが新たに取り入れたレパートリーを披露し、ジョン・ノイマイヤー振付の『スプリング・アンド・フォール』など、クラシックバレエの枠を超えたプログラムが展開される。一方、「初夢バレエまつり」は子どもから大人まで楽しめる構成となっており、家族でバレエを楽しむ絶好の機会となっている。
ウクライナ国立バレエの公演は、単なる芸術表現ではなく、困難な状況を乗り越え、希望と愛を伝えるメッセージである。特別ゲストの菅井円加の出演、新制作「ジゼル」、そしてバラエティ豊かなプログラムが揃う今回の公演は、観客に深い感動を与えるものである。
新たな年の幕開けを劇場で迎えるのはいかがだろうか。ウクライナ国立バレエの舞台が、心に「愛」と「希望」を届けてくれるはずである。
≪公演情報≫
ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)
公演詳細はこちら <こうらんしゃ で検索>
2025年1月3日(金)~1月19日(日) 全国公演
1/5~1/19「ジゼル」全2幕
1/3「初夢バレエまつり」、1/4「プレミアム・ガラ」
■会場 東京文化会館(上野)、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷)、フェスティバルホール(大阪) ほか
東京、富山、石川、京都、大阪、愛知、和歌山、香川、岡山、広島、福岡 全17公演
■チケット料金 SS席19,000円~D席7,000円(オーケストラ演奏)
S席9,500円~C席4,000円(※各地別料金)
■出演 菅井円加(1/4、5ゲスト)、O.ゴリッツァ、I.クラフチェンコ、K.ミクルーハ、
A.トルーシュ(1/4、5ゲスト)、N.スハルコフ、Y.ヴァーニャ、O.オメリチェンコ ほか
■演奏 指揮:ミコラ・ジャジューラ、管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団(1/4-6、11-13のみ)
ほか公演日は特別録音音源を使用
■お申込・お問合せ:光藍社チケットセンター050-3776-6184 (平日12:00~16:00/土日祝休み ※年末年始12/28~1/5休み)
※「ジゼル」「プレミアム・ガラ」は、未就学児入場不可 ※「初夢バレエまつり」は、4歳以上入場可